最後に、区内の点訳ニーズを長年支えてきた点訳グループが、深刻な高齢化に直面し、メンバー全員が「後期高齢者」となる中で、区内における「点訳の灯」を絶やさないための区、区教委の対応について伺います。

まずここで、点字の必要性と重要性について整理します。
視覚障害者のうち、点字の読み書きができる人は、約1割とされています。
一方、録音図書と点字図書の両方を利用する人の約8割が、「繰り返し読みたい資料」に「点字」を選ぶとの調査結果があります。
また、漢字表記や文章構造を正確に把握するにも点字は不可欠です。
区立中学の教科書にも点訳が用意された実績があります。選挙での点字投票など、法的権利の行使にも点字は重要です。
加えて、近年のAI点訳も、点訳技能を持つ人のチェックが正確性を期す上では欠かせません。

以上の理解のもと、第1に求めるのは、区内の点訳活動を支える点字プリンターの確保です。
かつて区が養成し1983年に誕生した点訳グループ「てんとうむし」の皆さんが自費購入した点字プリンターが年明け、故障し、動かなくなりました。
その修理を担ってきた事業者も閉業しています。
活動継続に不安を抱える皆さんが、高額な点字プリンター購入を躊躇われている事情は、中央図書館長にも、お伝えしましたが、区として機材の確保や利用機会の提供など、どう対処するおつもりか、伺います。

第2に、後継人材の養成です。
「てんとうむし」も結成から43年が経過し、仲間が7人にまで減る中で、区が一向に後継者の養成へ踏み出さないことに皆さん危機感を強めています。
この点、私からも20212022、さらに昨年と繰り返し議会で人材養成を求め、区教委も、その都度「検討」を約束されますが、この5年、具体策はないままです。
区と区教委は、こうした現状に危機感を持っているのでしょうか。

昨年11月、都内にある国内最大の点字図書館、日本点字図書館を訪問し、世田谷区民の利用登録者が259名、そのうち点字利用者が81名に上るとのデータを得ました。
区外の施設にも関わらず、これほど多くの区民が利用する現状を踏まえると、区は区内の点訳ニーズを過小評価しているのではないですか。
区と区教委は、この登録者数とニーズをどう受け止めるのか。また改めて、人材養成に向けた本気度と具体策を伺います。

最後に、これら課題を解決するため、読書バリアフリー法に基づく地域計画の策定を強く求めます。

2019年成立の同法第8条は自治体にも「読書バリアフリー計画」の策定を努力義務として求めますが、本区に策定はないままです。
区の図書館ビジョンが「点訳ボランティアの参画」を謳いながらも、そうした方々の困難な状況を把握し、支える視点を欠いていることからも、具体策を持たない区の現状と法定計画の未策定とは無関係ではないはずです。
単に「検討する」と口約束するにとどまらず、具体的な計画策定へ落とし込み、年次を区切って着実に取り組むべきと考えますが如何か。
教育長のご見解と、ご決意を伺い、壇上からの質問を終わります。