◆上川あや

通告に基づき質問します。

初めに、区職員の公務災害・通勤災害時の遺族補償から同性パートナーが抜け落ちていることについてです。
区の職員が公務災害や通勤災害で死亡した場合、遺族の申請に基づき全国の都道府県、区市町村などで運営する地方公務員災害補償基金から、遺族補償年金や遺族補償一時金が支給されます。事実婚の男女なら婚姻に準じ遺族補償がある一方で、同性カップルは婚姻制度の対象外。このため、何年生活を共にしようと遺族補償の対象にはなりません。パートナーの性別により共に働く職員間に処遇差のある現状は、同性カップルへの差別を禁じた世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨に照らせば、全く不合理かつ差別的です。
このため私からは、区で独自制度を設けてでも、国制度の欠陥を補い、職員間の平等を担保するよう求め続けてまいりました。

同性パートナーへの遺族補償をめぐっては、2021年6月の私の一般質問で、区の要請に基づき水防活動等に加わり亡くなった住民や、区立学校で健診等を行う学校医等が、その勤務や通勤途上の事故で亡くなった場合の遺族補償について平等を求め、区の職員が公務災害、通勤災害で死亡した場合についても、同年9月の一般質問で平等を求めています。

その結果、水防活動に従事した住民等については、来月一日施行の要綱で、区独自に同性パートナーにも遺族補償をする新制度を始めることが先月三十一日の特別委員会で報告をされ、同日、区長記者会見でも公表されましたが、区の職員及び学校医等については何らの動きも見えません。
この点、所管部に確認すると、区の職員については総務部で、学校医等については区教委で、それぞれ同性パートナーに遺族補償する区の独自制度を新設し、水防従事者等への遺族補償と併せ、来月一日施行とする考えで準備を進めていると言います。

そこで、区と区教委のそれぞれに問います。新制度の根拠規定は要綱か、支給対象となる要件は何か、支給方法は一時金のみか、その算定は夫婦と同等か、その損害認定はどう行うか、財源は区の単費なのか、その考えを伺います。

◎池田 総務部長

私からは、職員の公務災害等に係るパートナーシップの相手方への遺族補償について御答弁いたします。

現在、地方公務員災害補償基金では、職員が公務災害や通勤災害で亡くなった場合の遺族補償の対象に職員のパートナーシップの相手方を含めていないことから、区では七月一日付で新たに要綱を整備し、会計年度任用職員などを含む職員のパートナーシップの相手方を対象とした遺族補償制度を設けることを予定してございます。
補償の内容といたしましては、地方公務員災害補償基金制度での配偶者の方への遺族補償一時金に相当する額を区の単費により支給するものとしており、長期的な支給管理が困難であることなどから、遺族年金の形は取らないこととしております。
支給の手順といたしましては、職員のパートナーシップの相手方から、パートナーシップ宣誓または公正証書、職員の収入により生計を維持していたことを確認する書類などを提出してもらい、資格審査を行うとともに、職員の死亡が公務または通勤に起因するものであることを必要に応じて審査委員会を設置して判断することを予定しております。
以上でございます。

◎知久 教育政策・生涯学習部長

私からは、学校医等の同性パートナーへの遺族補償についてお答えいたします。
教育委員会におきましても、教育委員会が任用する学校医等については、新たに設けられる区の遺族補償制度の対象外となることから、学校医等を対象とした同様の要綱を整備し、本年七月一日の施行を予定しております。
以上です。

◆上川あや

同性パートナーの職員の方に対する遺族補償なんですが、庁内で働いている同性カップルの職員の方に感想を聞いたところ、お一人の方は、自分たちに当然の権利としてその資格が与えられたことがとてもうれしいですというお答えが返ってきました。あともう一方、同性パートナーも事実婚と同じように扱われること、飛び跳ねて喜んでいると伝えてもらって構いませんだそうです。誠実に皆さんと同じ権利、しっかり補償してください。