次に、区の多様性尊重条例の実効性を高める取り組みについてです。
本年4月1日公開の、区の多様性尊重条例の紹介のウェブページでは、第6条「事業者の責務」について次のように書いています。

「区の掲げる男女共同参画および多文化共生の理念に理解を深め、区の施策に積極的に協力していただくよう定めています。

特に事業者のみなさんには、働くすべての人がそのライフスタイルに応じて多様な生き方を選択できるよう、募集、採用及び昇進など、あらゆる場面で、性別や性自認、性的指向、国籍、民族の違いによる不当な取扱いがないよう配慮し、事実上生じている不当な取扱いについても積極的に改善するようお願いします。」
この記述は、区がウェブページで公開している同条例の「解説(第3版)」における「事業者の責務」規定の説明や、区の第二次男女共同参画プラン後期計画の具体的な施策とも整合するものです。

ところがです。 区は事業者と契約書を締結する際、同条例に基づく「契約履行に当たっての留意について」という資料を添付します。これには、条例 第7条(差別の解消等)の規定を特記する一方、第6条「事業者の責務」の規定は特記もせずに素通りです。
事業者に渡す資料なのですから、まず事業者の責務こそ特記するべきではないですか? 加筆を求めますがいかがでしょうか?

また、区の契約事業者に対する、性的マイノリティを含めた「ジェンダー平等」等の責務の伝達について、所管部からは従来の別紙添付よりレベルを上げ、契約書内の特記事項とすることで財務部とも調整中だと伺っていますが、掛け声倒れにならないか懸念しています。

この点、条例の趣旨が忠実に履行されるよう、丁寧に検討を進め、確実に前進させるよう求め、区の決意を問います。
最後に、区立施設の管理、運営に当たる指定管理者の職員についても、性の多様性に応じた処遇の平等やハラスメント禁止を徹底させるよう求めます。

区の多様性尊重条例は性的指向、性自認への差別を禁止しています。またその差別の禁止には「同性カップルへの差別」も含まれると区は明確に答弁しています。
ところが現状では、区の指定管理者の多くが、職員の家族にかかる人事・給与・福祉厚生制度に同性パートナーを含めず、実質、排除しています。また、それぞれのハラスメント禁止規定にも、性的指向、性自認の明文化は乏しい状況です。

現在、187の区立施設が37の指定管理者により管理されています。
このうち区の外郭団体である6事業者は処遇の平等とハラスメント禁止の両方で一定の改善があるため、本議論からは除きます。
残る31の指定管理者で、職員の人事・給与・福利厚生制度の一部にでも、同性パートナーやその親族を対象者とした制度をもつものは僅かに3事業者です。残り28の事業者に同性カップルである職員への平等はありません。
また、ハラスメント禁止規定に「性的指向」や「性自認」を明文化した事業者も5つに留まり、残り26事業者にソジハラスメントの禁止規定は無いままです。

区は、第二次男女共同参画プラン後期計画の課題12で「性的マイノリティ等 多様な性への理解促進と支援」を掲げ、「取組みを推進するためには、企業による理解、協力も欠かせません。就労や働く場、提供するサービスにおいて性的マイノリティへの公平な扱いや配慮がされるよう進めます。」と書き、その施策には働きかけも明記しています。
ならば、区立施設で働く職員の処遇は、当然、パートナーが同性でも平等であるべきですし、性自認、性的指向でのハラスメント禁止も明示されなければ他の区内事業者に示しがつきません。

この点、改善にむけて事業者が何をするべきか、対応要領等、事業者の責務に関する下位の規定も整備のうえ指定管理者制度運用ガイドラインにも反映させるよう求め見解を伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。