◆上川あや

初めに、外郭団体の同性パートナーのいる職員に対する処遇の平等について伺います。

当区には十一の外郭団体がありますが、同性パートナーのいる職員に対する人事、給与、福利厚生面での処遇の平等はまだ一部の制度で始まったばかりです。男女の事実婚に比べて見劣りする現状を、私はとても残念に思っています。
何度も繰り返してきたことですが、当区の多様性尊重条例は性的指向、性自認への差別を禁止しています。また、この差別の禁止には同性カップルへの差別も含まれると区は明確に答弁しております。
そこで、二〇一八年三月の予特を皮切りに、私は毎年、区の外郭団体全体について、同性パートナーのいる職員の処遇を平等化し、性的指向、性自認に関するハラスメント禁止規定を明文化するよう求め続けてきました。
その結果、この春までにハラスメント禁止規定については整備が終わり、残りは同性カップルの職員への処遇改善となっています。

そこで、まず求めたいのが、休暇制度の平等です。
十一ある外郭団体のうち三つの団体では、今なお職員の休暇制度が平等ではありません。家族に関わる休暇として代表的な三つの制度、慶弔、育児、介護の三休暇のうち、せたがや文化財団と多摩川緑地広場管理公社では、同性カップルに育児と介護の二つの休暇は認めない。世田谷区社会福祉事業団も同性カップルに育児休業は認めないとなっており、平等ではありません。
一部の休暇のみ与えてよしとするべきではなく、全ての休暇で平等とするべきです。この点、区の職員に準じた処遇改善を各団体に求めてきた区として、引き続き、指導助言をしていただけるのかどうか、区の見解を伺います。

◎加賀谷 政策経営部長

区では、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の施行の際など、外郭団体に対しまして、所管部を通じこれまでも機会を捉え条例等の趣旨に沿った団体運営を進めるよう働きかけてございます。

御指摘の三つの団体につきまして、育児・介護休業に関して規定が整っておらず引き続き指導している状況です。そのうち文化財団につきましては、育児・介護休業につきまして制度運営上、同性パートナーも対象としており、職員に周知しておりますが、令和五年四月適用に向けて明文化の整理を図ります。また、社会福祉事業団では、育児休業について今年度中に規定に明文化するという段階でございます。なお、多摩川緑地広場管理公社は、世田谷区と大田区の協議により設置している団体でございますが、この間、規定に向け大田区と協議をしているところでございますが、実施に至ってございません。引き続き、所管部においても協議を図っていくという段階でございます。

◆上川あや

引き続きお願いします。

続けて、休暇制度以外の処遇の平等も区は求めていくべきだと思っています。
来月、当区類似のパートナーシップ宣誓制度をスタートさせる東京都では、その開始に合わせ、時期を逸することなく、都の職員処遇を平等にするとして、今月七日、都議会で関連する四条例を改正しています。それにより、休暇制度のみならず扶養手当等の給与制度、結婚祝い金等の互助組合事業、また職員の死亡退職金の支給遺族に同性パートナーを含めるなど、国の法令に反しない範囲で基本全ての処遇を平等にしたとしています。

この点、当区は二十三区共通の人事給与制度に阻まれて、職員給与や死亡退職金で平等を確保できないままですが、全ての処遇で平等を目指す見地から、同性パートナーも差別をするべきではないとする当区の認識が二十三区共通の認識になるよう働きかけるとしてきました。そして、この十一月から都のパートナーシップ制度が始まることを見据え、特別区もようやく共通基準の見直しに向けて検討すると伺っています。

さらに当区は、第二次男女共同参画プラン後期計画の課題十二で、性的マイノリティー等多様な性への理解促進と支援を掲げ、取組を推進するためには企業による理解協力も欠かせません、就労や働く場を提供するサービスにおいて性的マイノリティーへの公平な扱いや配慮がされるよう進めますと書いています。
その上で施策に沿った事業展開の③、同性パートナーシップに関する取組みの施策の一つとして、関係機関への働きかけを明記しています。

条例の所管部である生活文化政策部には、たとえ区の職員で実現できていない処遇の平等でも、その早期実現を政策経営部などとともに外郭団体には働きかけていただき、区内事業者にも範を示せるよう取り組んでいただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

◎片桐 生活文化政策部長

令和二年度に生活文化政策部で実施いたしました区内企業の意識実態調査では、性的マイノリティーへの配慮の取組について、八割程度の事業者が実施していない、または検討中と回答しており、区内事業者への働きかけは重要と認識しております。特に外郭団体は区と連携し、公益的なサービスを行う団体であり、外郭団体における積極的な取組は広く区内事業者へ普及促進していく際の模範になると考えております。
今後、外郭団体連絡協議会なども活用しながら、休暇以外の人事関連制度についても、区の制度導入の有無にかかわらず、処遇平等に必要な見直しを行うことができないか、政策経営部や関係所管とも連携し働きかけてまいります。また、民間事業者に対する効果的な働きかけについても、引き続き検討してまいります。

◆上川あや

よろしくお願いいたします。