はじめに、京王電鉄が沿線自治体に連絡、調整もなく進めている交通弱者にほとんど配慮がない駅改札の無人化と駅員削減の動きについて伺います。

みなさんは2020年以降のコロナ禍で、京王電鉄が水面下、駅改札の無人化と、駅員削減を同時に加速させていることをご存知でしょうか?

京王電鉄に確認したところ、コロナ禍以降、無人化された改札は、9駅12改札。
それ以前の無人化まで含めると、その数は17駅、21改札に上ります。
このうち区内の無人改札は現状で明大前駅フレンテ口、下北沢駅西口、千歳烏山駅南口の3改札ですが、ここで注意すべきは、改札無人化は、なお途上だということです。

京王電鉄に尋ねると今後のさらなる無人化については答えられないとの回答ですが「京王電鉄労組」発行のニュースによれば、更なる改札無人化と駅員削減を進める意向は明らかです。
例えば来月12日のダイヤ改正で千歳烏山駅は特急停車駅となり、平日上り方向だけでも49本も、停車本数が増加します。ところが京王電鉄は昨年7月の南口に続けて、ダイヤ改正の4日後から西口改札まで無人化する計画です。加えて4月16日には北口の定期券売場まで閉じます。これにより以後、区内で定期券の窓口販売は受けられなくなります。

連動して進められているのが駅員の削減です。
その数は昨年7月以降全線で17名、 本年5月の計画分まで含めると28名の減となり、この中には千歳烏山、桜上水、両駅の計5名も含まれます。
問題は、こうした公共交通機関の運営体制の変化が、影響を受ける地元自治体に何ら連絡調整もなく行われ、かつ視覚障害者や車いすユーザー、高齢者等、いわゆる交通弱者に配慮のない無人化で、すでにトラブルまで起こしているという現実です。

昨年末、この件で私も烏山にお住いの全盲の視覚障害者の方からご相談を受けました。
京王電鉄が昨年7月、千歳烏山駅南口を突然無人化し大変困っている。タッチパネル式の精算機だけが置かれたが画面が見えないので操作できない。インターホンで駅員を呼び出そうにも手探りで探さざるを得ず、ようやくボタンを見つけ呼び出しても係員が来るまで待たされる。世田谷区視力障害者協会でも抗議しているが改善の見通しもないというのです。

同種のトラブルは区外の駅でも起きています。
同時期、駅改札を無人化した京王稲田堤駅では、付近の作業所に通う車いすユーザーがいちいち駅員を呼び出さなければ改札を通れなくなりました。
駅では一旦、彼らが作業所に通う時間帯、無人化した駅員ブース横の扉を開くことにしましたが、その後、社内から反対の声が上がり同改札は閉じられたと聞きました。つまり同社の人員削減に障害者への配慮などないのです。

千歳烏山駅のご相談は、早速、区につなぎましたが、区としても南口改札の無人化は晴天の霹靂で、視覚障害者が運賃精算できない状況も私からの指摘で初めて知り、区内全体の無人化状況についても把握はなく、今後の改札無人化、人員削減計画についても知らない、尋ねたこともないというのです。これでは困ります。そこで伺います。

1点目に、こうした駅改札の無人化、駅員の削減を、障害のある区民から苦情を受けて知る、議員の指摘を受けて知るという状況は改めていただかなければなりません。
千歳烏山駅・南口の状況はその後、区の口添えもあり、およそ2カ月かけて視覚障害者でも操作可能なテンキーつき精算機への交換、インターホンの場所を知らせる音声案内の整備へと繋がりましたが、本来、こうした改善は、やむを得ず無人化する場合でも、無人化に先立ち行われるべきものでした。今回、完全に後手にまわった区の対応をどうお考えなのですか? 区のご所見を問います。
その上で、これを教訓に今後は区内全ての交通事業者との連絡を密に取り、事前の計画把握とトラブル防止に努めるよう求めます。見解を問います。

2点目に、駅員のいる改札に勝る無人化改札などないということです。
国土交通省の移動円滑化のガイドラインも、本区が定めたUDの施設整備基準も、無人化を容認する前提で、次善の策を定めたものですが、それらに従いテンキー付の自動精算機や音声案内、インターホンを整えても視覚障害者は手探りでそれらを探さなければなりません。聴覚障害者もインターホンは使えません。介助を要する方々も結局、駅員の到着を余計に待って、その介助を受けなければなりません。
つまり無人化のツケは必ず交通弱者が払うのです。区民の利益を代弁する立場では安易に無人化を受け入れることがないよう求めますがいかがですか?

第3に京王電鉄は区のユニバーサルデザイン環境整備審議会にも委員を出す事業者ですが、国交省のガイドラインも区の整備基準も無視しています。区はこれをどう評価しますか?
また本件では区のUD審議会も、施設整備基準も絵に描いた餅でした。では今後これらをどう機能させる考えか問います。

第4に、京王線 連続立体交差事業との関連です。
今後、京王線内では、連続立体交差事業に伴い、駅構内の構造、経路の変更が繰り返されることとなるでしょう。日本盲人会連合の調べで、何と4割もの視覚障害者がホームからの転落事故を経験しているなかで、命を守るホームドアも工事の最終局面まで動きません。ところが彼らを見守り支援するべき駅員の削減だけが密かに進められています。区はこれをどう捉えるのですか? また、これ以上の駅員削減は控えるよう区は要請を強めるべきではないですか? 区の評価と対応を問います。

第5に、京王線では昨年10月、傷害・放火事件が起きたことは記憶に新しいところです。
京王電鉄では平常時、健常者だけを前提に改札無人化と駅員削減を進めていますが、これで事件、事故、トラブルに対応できると区はお考えでしょうか?
また、視覚障害者の多くが出発駅改札で行き先を告げ、その後の乗換駅、終着駅で駅員から介助を受けるリレーサービスで安全な移動を担保しますが、それらは今後も滞りなく受けられるのか? 区の把握と考察を問います。

この質問の最後に鉄道事業者への支援です。
コロナ禍で京王電鉄も乗客数は2割減だと伺っています。
経営環境が悪化する中で、障害者、高齢者の滞りない移動のために、有人改札は維持して欲しい、ホーム上の人員も削減しないで欲しいと口は出すけれど、人もカネも出さない。
そのような態度が通るのか疑問です。
こうした態度がもたらすものは、結局、人員削減と自動化、無人化で、そのしわ寄せは交通弱者にいくのではないですか? いかがですか?

このような苦境を打開した一例として、宮崎県 川南町は、JR九州と協定を結び、町職員が乗り降り等の介助まで始めたと報じられています。区でも学生ボランティアと協力体制を組むなど、柔軟な発想で支援策の構築が考えられるのではないですか?
区はどう事業者を支え、多様な区民を助ける考えか、区の考えを問います。