◆上川あや
第二の課題は、区の外郭団体の一つ、世田谷区社会福祉協議会で受け付けているボランティア保険についてです。
現在、同保険では、被保険者の死亡時、死亡保険金の支払われる先は被保険者の法定相続人のみとなっています。つまり受取人指定はできず、法律上婚姻しておらず、民法上、法定相続人となれない事実婚のパートナーは排除、結婚したくてもかなわない同性パートナーもまた排除です。家族のありようが多様化する中、これが社会福祉協議会が取るべき制度設計でしょうか。私は、そうではないはずだと考えます。
同保険の引受保険会社は、誰もが知る大手損害保険会社の三社です。いずれも他の保険商品では、同性パートナーも配偶者として補償対象に含まれると明言をしております。加えて、同ボランティア保険の以前の年度のしおりでは、死亡保険金は全額を受取人にお支払いしますと書かれ、法定相続人への支払いは、その指定がない場合であると明記をされています。つまり、以前は個に応じた受取人指定もできたのです。
同保険は世田谷区社協が単独で設定、運用しているものではなく、その上部団体、都社協が大手保険会社との間で整え、区社協はその受付を担う立場ということです。しかし、だからといって差別を禁じた本区が看過できる制度設計にはないはずです。区社協、他区とも連携し改善する努力を区に求め、見解を問います。
◎澁田 保健福祉政策部長
私からは、二点についてお答えいたします。
一点目が、ボランティア保険についての御質問にお答えいたします。
ボランティア保険は、災害など被災地でのボランティア活動中の事故により、ボランティア本人のけがや、ボランティア活動中に他人に損害を与えた場合に発生した損害を補償する保険でございます。
世田谷区社会福祉協議会が受付窓口となり、東京都社会福祉協議会が保険契約者として引受保険会社と契約をしており、令和元年度は区内で約千二百人の方が申込みをしております。ボランティア保険におきましては、被災地において契約を行うなど即時性及び簡易性が求められることから、死亡した場合の受取人の指定ができず、死亡保険金は法定相続人が受け取ることとなっております。
同性カップルの方などを受取人に指定できるようにすることにつきましては、区のパートナーシップ宣誓制度の趣旨に基づき、まずは区社協を通じ、東京都社協に対し課題提起をし、保険内容の改善について働きかけてまいります。