◆上川あや

全ての予算に賛成する立場ですが、本日は二つの苦言を申し上げます。

一つ目に、区民不在の事務の形骸化が過ぎないかという点。二つ目に、防災意識を欠く部署が多いのではないかという疑問です。
さきの一般質問では、区が配偶者暴力相談支援センターの機能を整備しながら、区民に対しては一切その看板を掲げず、広報もしていない点について是正を求めました。区民生活領域の質疑でも、区の多様性尊重の条例の持つ被害者救済機能が、同条例の施行規則には一切規定されず、相談対応のフローすら考えられていない点について是正を求めました。
福祉保健領域の質疑でも、区が社会福祉協議会に働きかけ、終活支援事業を立ち上げながら、区民への積極的な広報は一切行われず、当然、利用者もゼロである現状について改革を求めました。
一見ニーズに見合った機能を整備しながらも、その実、対応に当たる規定の整備を怠っていたり、事務のフローの検討すらなかったり、当該の区民に一切広報しないといった事務の形骸化が繰り返し露見される現状に、私は危機感を抱いています。事業は、それを必要とする区民に寄り添う視点から立ち上げられ、当該の区民に知らされ、利用され、実際に効果を上げ、感謝もされて初めて完結するものであるはずが、制度の立ち上げのみで満足する部署が散見され、区民に役立つという原点が軽視をされています。点検を求めます。

第二に、防災への視点です。さきの本会議で、区が昨年も浸水被害の生じた浸水想定区域の真ん中に、区の都市整備領域の大部分、約五百名を移す計画へのリスクヘッジを問いましたが、重要機能の移転だけは着々と決める一方で、出水時の業務継続計画も、人員、物資、資料等の避難計画もこれからという現実に、本来順序は逆ではなかったかと、防災意識の欠如を強く感じます。
区が公文書管理条例を制定する一方で、区の公文書庫の防火体制は極めて脆弱なままであったり、区教委が文化財保存活用方針を立ち上げながら、区の郷土資料館も考古資料室も浸水想定区域に置いたまま、出水時の備え一つない点にも、防災への他人事意識を強く感じます。
全ての所管部が、みずからの事務の防災担当者、責任者であるという自覚を持って、事務を再点検していただくよう改めて求め、私の意見といたします。