◆上川あや
本区の条例に基づき、同性カップルへの差別を何人たりとも禁止をしているはずの本区が、みずからの区職員の同性カップルに対しては処遇を平等にしていない不公正について取り上げます。
本年四月四日、私は、本区の男女共同参画と多文化共生を推進する条例第十一条第一項の規定に基づき、同性パートナーを持つ区職員に休日制度の均等処遇を求める苦情申し立てというものを行いました。
同条例第七条では、性的指向に基づく差別、つまり同性カップルへの差別は禁止です。ところが、区は、私から繰り返し改善を求められながらも、同性をパートナーとする区の職員に、家族に係る休暇制度の取得を認める規定の整備を怠ってまいりました。このため、伴侶を失った職員は、パートナーが異性であれば、たとえ事実婚であっても十日間の慶弔休暇の取得が認められるのに対して、パートナーが同性の職員では休暇取得の権利はなく、翌日も出勤を迫られるという状況です。
これが多様性尊重をうたう条例をみずから提案、成立させ、区民、事業者に条例を守ってもらおうという本区の姿勢です。冒頭にお話しをしました苦情申し立ての処理結果が先週木曜日、ようやく示されました。
苦情処理委員会の答申は、異性の配偶者、パートナーを有する職員と同等な休暇を取得できるよう改善するべきであるというものです。それを受けた区の所管課の検討結果の回答も寄せられましたが、今年度中の実現を目指してまいりたいということですが、この結論が出るまでに六カ月と六日を要することになりました。
条例に基づく苦情処理制度の標準処理期間、五カ月を一カ月以上過ぎてのようやくの結論です。しかも、当然と言うべき結論でした。余りに判断が遅過ぎるのではないでしょうか。ここで、区長に問いたいと思います。
区長は、区職員の休暇制度の平等を求めた私の質疑に対して、平成二十八年十一月、次のように答弁しています。
職員の休暇制度に関しても区民の理解を得ながら進める必要があると思いまして、これら課題を一括して検討いたしまして、なるべく速やかにそういう権利保障の実現という視点でバランスよく実現を図ってまいりたい。この答弁から来月で三年です。どこが速やかに実現なんでしょうか。
しかも、当区が手をこまねいている間に、渋谷区は職員の休暇制度を既に平等にしたと、先週、ネットニュースで報じられました。
制度上、同性をパートナーとする職員にも慶弔休暇と介護休暇の二つが認められるようになったと報じられておりますが、当事者の議員から改善を求めるわけでもない隣の区で、なぜ自主的にこのような改善が進み、当区は後塵を拝している状況なのでしょうか。区長はどうお考えなのでしょう。
◎保坂 区長
本件に関しては、速やかにというぐあいにはなっていないということを率直におわびをしたいと思います。
今年第二回定例会において、同性パートナーをお互い持つ職員の休暇制度について検討を加速したいと答弁をいたしました。今回、この条例に基づいた第三者である苦情処理委員会にはっきり御意見もいただいているわけで、この苦情申し立ての回答まで、これも時間がかなりかかってしまったということは、そのとおりだと思います。
休暇制度について、担当所管に対して、この適用の具体について、手続はどういうふうに進めていくのか、具体的な検討に取り組むということを既に苦情処理委員会の回答を受けて指示しているところでございます。
私としては、同性パートナーを持つ職員の働きやすさにつなげて、この条例を持っているわけなので、おっしゃるように、一つ一つ、委員が取り上げてしばらくして、これが変わるというパターンから抜け出して、全般的に、今の福利厚生や区の職員の働き方、その他の制度について、トータルに見直していきたいと思います。
◆上川あや
続いて、副区長に伺いたいと思います。
今回の苦情処理の今後について、担当課長とも話し合いを持ちました。庁内での話し合いでは、当区では、今回、渋谷区が認めた慶弔、介護の二つの休暇だけではなく、介護時間等も含めて全ての休暇関連の規定を改める方針だというふうに伺っております。そこには、別の条例で見落とされがちな職員の配偶者同行休業もぜひ含めるべきだと思いますが、いかがか。
また、どの範囲まで制度を改めていただける方針か、確認をいたします。
◎宮崎 副区長
今、御指摘がございました職員の配偶者同行休業の関係でございますけれども、まず、同性をパートナーとする職員の休暇制度につきましては、この間、担当所管では規定をどのように改正するかなど、実務的な部分での作業を行っているところでございます。
また、これまで御指摘のありました慶弔休暇、介護休暇に加えまして、今お話しのありました配偶者同行休業も含めまして、同性をパートナーとする職員の処遇改善として、広くその可能性を検討するよう指示しているところでございます。
職員の休暇制度は、御案内のとおり、特別区人事委員会との協議が必要となりますけれども、ただいま区長からも申し上げておりますように、本区独自のよりよい休暇制度となるよう、その導入につきまして、今年度中の実現を目指してまいりたいと考えております。
◆上川あや
同性をパートナーとする職員の処遇を平等とするべきことについては、さきに御紹介した休暇制度だけを取り出した質疑より以前、二十七年三月に一般質問で区長に答弁を求めております。
このときも区長は、職員の福利厚生面における例えば同性愛の方々に不利益な扱い、あるいは差別などがあってはならないとの基本認識を示した上で、区長として判断できるところから始めると御答弁なさっておりましたが、以後改善されたもの、例えば区職員の結婚祝い金や弔慰金、また、区立学校教職員の結婚祝い金と弔慰金は、それぞれ私が議会で質疑をし、都度御答弁をいただき、改善をされてきたもので、区長のリーダーシップで変えられたものは一つとしてありませんでした。
そこで伺います。
区は、一々、個別の制度を私から指摘されなければ直さないのはなぜなのでしょうか。職員の処遇の平等にどんな制度がかかわるか、一番おわかりなのは区自身であるはずです。今でも家族向け職員住宅に同性カップルの方々は入れませんが、こういったことも私から指摘をされなければ改めることはできないのでしょうか。
この際、職員の処遇、福利厚生で全体の再チェックと見直しを求めますが、いかがですか。
◎田中 総務部長
区は、委員の御指摘を踏まえ、職員互助会の同性をパートナーとする職員への給付として、結婚祝い金を平成二十八年度から、弔慰金を平成二十九年度からそれぞれ開始してまいりました。
また休暇制度については、今、副区長が御答弁したとおりでございます。
職員住宅を含め、同性をパートナーとする職員が生き生きと仕事に取り組めるよう、処遇の平等に向けて取りこぼしのないよう全体のチェックをし、見直してまいりたいと考えております。
◆上川あや
いいかげん、何度も何度も、何年もかかって質疑する必要がないように改めてください。終わります。