◆上川あや

最後に、新庁舎で計画されている井戸水浄化プラントの配管設計等について見直しを求めます。
東日本大震災直後の一般質問で、私より、区役所本庁舎に深井戸を掘り、水道法に準拠した飲料水の製造プラントをつくることを提案いたしました。福島原発事故後、都の金町浄水場の水道水から基準値を超える放射性物質が検出をされ、一時期、都内二十三区全体で乳児への水道水供給はできなくなりました。都の浄水ネットワークは一部の汚染を全体に広げるシステムでもあって、命の水のリスクの分散の重要性は明らかでした。
この対処として、外部の影響を受けにくい深層の地下水に着目をし、膜処理技術を応用した非常にコンパクトな浄水施設をつくる私の提案は区に受け入れられ、平成二十五年四月より、毎日十トンの飲料水をこの本庁舎でつくっております。同施設は新庁舎においても設置を計画中ですが、そこで毎日つくられる上質な飲料水十トンの行方を調べますと、全量、雨水と同じ雑用水槽に投入し、平素はトイレの洗浄水にのみつぎ込む計画であると知り、驚き、あきれました。新庁舎に設置予定のレストランの調理や提供される飲料水に使うならば、コストに見合った魅力アップや災害の備えの啓発にもつながりますが、みすみす全量をトイレに流すというのです。
現在の基本設計では、レストランと浄水プラントの位置が離れ過ぎ、既に今述べた設計変更は現実的ではないのかもしれませんが、浄水プラントは新庁舎西棟の地下に設置をされ、その上層階には区民窓口が位置をします。同フロアに冷水機を置き、区民の利用に供するとともに、災害時の水の備えをPRする、また、災害時、断水時には雑用水槽には入れず、切替弁等を設け、全館で飲用可能とする等の改革を求めます。区の見解を伺います。

◎工藤 危機管理室長

 
最後に、三点目でございます。新庁舎計画における井戸水の活用についてでございます。
現在の地下水利用システムは、災害時に井戸からくみ上げた地下水を飲み水として利用できるシステムとして、平時の水道水とまぜ、第三庁舎で飲み水として利用しております。災害対策本部機能の強化のため、職員の飲み水確保など給水設備の充実を目的に導入し、災害時の当該施設から直接給水でき、職員用としてだけではなく近隣住民にも提供できるようになっております。
本庁舎等整備では、災害時に水道が途絶した場合でも井戸水で水洗トイレ機能を確保し、平時も同様の活用をするという設計上の考えにより、基本設計においては平時も災害時と同様、トイレ洗浄水として活用するものとしております。今後も新庁舎における災害時の地下水利用の仕組みを堅持するとともに、平時の利用の方法につきましては、議員の御提案等を踏まえ、飲み水としての活用も含め、より効果的な周知や活用方法を関係所管とともに検討してまいります。

◆上川あや

それぞれ私の問題提起、提案に対して積極的に改善に努める御答弁がいただけたと受けとめております。あとは有言実行ですので、速やかな改善、ぜひそれぞれの所管でお願いいたします。