罹災証明書の発行について伺います。
まずは、罹災証明書発行の目的、本区における確認方法とその執行体制について、確認をします。ご説明を頂けますか?

区は遅滞なく罹災証明書の交付をしなければならない。
そして区の現在のスキームでは、全壊、半壊、一部損壊の全てについて、必ず複数名の職員を現地に派遣し調査をする、ということですね。

現実に、速やかな調査と交付は可能なのでしょうか?
現在の首都直下地震における世田谷区の被害想定の最大値は、全壊が6074棟、半壊が1万7627棟。合わせて2万3701棟となっています。
これだけでも膨大な調査個所となりますが、肝心なのは、ここにはその数倍に上るであろう、一部損壊の建物が含まれていないという点です。
2016年の熊本地震では、一部損壊の建物数は、全壊建物数の15.79倍にも上りました。
今あげた首都直下型地震の想定と同じ、震度6強を記録した新潟県中越沖地震の柏崎市内のデータでも、一部損壊の建物数は、全壊建物数の20.26倍とべらぼうな比率で増えています。
そこで、仮にこの柏崎市内の比率を、区の被害想定に当てはめてみますと、12万3000棟もの一部損壊建物が区内でも出てしまう計算です。
全壊、半壊に、この数字を足し合わせた全数が、区の調査対象数となりますが、その合計数は、なんと14万6000棟以上に膨らみます。
現行のスキームでは、区はこれら全てに必ず2人以上の職員を派遣して、調査するとしていますが、どれくらいの期間で調査を終えられるのでしょう? 現実的に迅速発行、可能なスキームといえるのかどうか、確認をします。

全く現実感のない、頼りない想定であると感じます。
2016年の熊本地震では、約18万件の発行を終えるまでに約4カ月半を要しました。
この間、生活再建に必要な公的支援の提供は当然遅れ、被災者が先に家屋を修繕してしまうことで、被害の実態も分かりにくくなり、事後、「判定に納得がいかない」などのトラブルにもなったともいいます。
その教訓を踏まえ、国は昨年3月、指針を改定し「一部損壊」の場合のみ、住民が自宅の外観や壊れた部分をスマートフォンなどで撮った写真で認定する「自己判定方式」を採用しています。

この方式は、最大震度6弱を記録した昨年6月の大阪北部地震でも、災害救助法が適用された大阪府内13市町の大部分、9市町で導入され、即日発行が進められたといいます。
今回、当時の導入実例として、議会事務局を介して大阪北部地震に対する高槻、茨木、両市の罹災証明書の発行状況を調べました。
それによりますと、35万人都市、高槻市の罹災証明書、発行総数は2万2775件。
うち、自己判定方式は2万144件と、88%を占め、職員の訪問調査は2631件だけで済みました。
人口28万人の茨木市でも、申請総数1万6583件のうち自己判定方式が1万3327件と、80%を占め、職員の訪問調査は3256件だけで済みました。
自己判定方式を取り入れることで、罹災証明書の発行の大半が即日化できただけでなく、震災時に限られる動ける職員を、より被害の大きい住宅点検に向かわせることができました。

区の現在のスキームでは、このような大規模災害に、追いつかないことは確実で、こうした迅速化の検討が当区でも必要になると考えるのですが、いかがですか?