具体的な成果

★3歳児検診に必須の視力検査。全区で実施となりました。

 

子どもの目の機能は6歳までにほぼ完成するとされ、3歳児健診で異常を見逃さないことが重要です。
国の通知は、3歳児検診の会場で「必ず」視力検査をするよう求めていますが、世田谷では北沢と玉川の健診会場でしか検査は行われませんでした。
上川の追及で区内全域で視力検査が行われるようになりました。

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◆上川あや

昨年四月、厚生労働省が発出をした事務連絡、三歳児健康診査における視力検査の実施についてで、国が区に求めた四つの要請のほとんどを本区の三歳児健診が守っていないということについて伺います。
同通知は、視力の異常の見逃しから治療がおくれ、学齢期以降、十分な視力が生涯にわたって得られなくなる事態を防ぐため、三歳児健康診査時の視力検査の重要性や実施における注意点など四点を記載し、検査の徹底を呼びかけるものであり、本区もその通知先に含まれております。
通知が求めることの第一は、三歳児健診を受診する幼児の保護者に対し、子どもの目の機能は六歳までにほぼ完成するため、三歳児健診において異常が見逃されると治療がおくれ、十分な視力が得られなくなることがあることを周知することです。つまり、六歳児以降、視力は伸ばせなくなるので三歳児健診こそが重要ですよという警鐘です。
区の三歳児健診の案内文を見ると、六歳まで視力がどんどん伸びることについては触れていますが、それ以降伸びなくなることについては触れていず、リスクが伝わりにくい文章です。当区の三歳児健診の受診率は平成二十七年度九〇・五%、裏を返すと、九・五%もの方々が未受診です。国の通知どおり、このチャンスを逃すまいと思える文面に改め、周知を強化するべきではないでしょうか、いかがでしょうか。

◎鵜飼 健康推進課長

お話にありました御案内は、御家庭で行う視力検査用キットに同封し、三歳児健診の受診対象者の保護者に健診前に事前に送付しております。この視力検査用キットは、鳥や魚などの絵を使った簡単な検査方法ですが、スクリーニングとしての効果が認められているものです。
一方、三歳児健診の受診者の二割程度の保護者が御家庭での視力検査を実施せず、同健診を受けに来られている状況もございます。その点も踏まえまして、御案内の文書につきましては、国の通知が示す趣旨等を保護者にも正しく、わかりやすく伝えられるよう、関係所管とも連携を図り、表現等を工夫するなど改善してまいります。また、三歳児健診前に対象の保護者へ視力検査の重要性を啓発する仕組み等についても、関係所管とも検討してまいります。

◆上川あや

通知が求めることの第二は、各家庭で行われる一次の視力検査が適切に行われたか保護者に確認するとともに、適切に実施することができなかった受診児に対しては、必ず三歳児健診の会場で、もう一度繰り返します。必ず三歳児健診の会場で視力検査を実施することです。
ところが、本区では北沢と玉川、二支所の健診会場でしか視力検査の実施はありません。国の通知どおり全ての総合支所で実施するべき検査ではないのでしょうか、いかがでしょうか。

◎河島 世田谷総合支所健康づくり課長

総合支所で実施している三歳児健診では、保健師等による問診を行い、御家庭で行った視力検査の結果の確認や目に関する御心配のことなどをお聞きしております。その結果、必要がある場合は健診担当医の判断で精密健康診査受診票を発行し、眼科医への受診勧奨を行っております。現在、北沢総合支所、玉川総合支所では、家庭で適切に実施できなかった場合には健診会場での視力検査を実施しておりますが、他の支所では健診会場のスペース等との関係で実施できておりませんでした。
平成二十九年四月の厚生労働省の通知にあるとおり、三歳児健診においての目の検査は重要なことから、今後、健診体制の見直しや会場のレイアウトの工夫により、家庭で適切に実施できなかった方について、会場での視力検査を平成三十年四月から全支所で実施してまいります。

◆上川あや

国の通知が求めることのその三は、〇・五の視標が正しく見えなかった受診児及び視力検査を実施することができなかった受診児については、その保護者に眼科医療機関の受診を勧めること、この三番だけは本区でも行われております。しかし、続く四番がいただけません。
国の通知で求めることの四は、三により眼科医療機関の受診を勧めた場合には、受診結果について保護者に確認をすることなのですが、これが徹底されてはおりません。昨年度、区の健診会場で眼科医への精密検査受診票を発行された児童は二百二名、このうち区が結果を把握したのは百五十五名で要検査児の二三%、五十名近くが未把握のままとなっています。これでいいのでしょうか。

◎鵜飼 健康推進課長

区におきましても、三歳児健診の会場で精密健康診査受診票を発行し、その場で受診予約まで行ってもらうなど、保護者へ眼科医を受診するよう働きかけておりますが、御指摘のとおり、把握できないお子さんが一定程度おります。精密健康診査受診票には、医師が検査結果などを記入する欄を設けておりますが、記入のないことも多く、この場合は区担当者が一人一人保護者に御連絡し、確認しておりますが、戻るまでに二、三カ月かかることも多いため、保護者の方が結果等を失念し、子どもの状況を十分に把握できない場合、また、未受診の方の場合もございます。
このことから、三歳児健診に訪れる保護者へ視力検査の重要性等を御理解いただくため、より一層の啓発に努めてまいります。また、精密検査の指定医療機関等に速やかに区へ返戻するよう他区とも連携を図り働きかけてまいります。

◆上川あや

二〇一六年八月、日本小児眼科学会がまとめた三歳児健診の提言に従いますと、本区の健診会場に待機をしている小児科医は、眼科医や視能訓練士などの目の専門家の検査に置きかえられるべきですし、スクリーナーなどの検査機器の導入も求められてまいります。スクリーナーは弱視のリスクを一秒で調べられ、医師でなくても扱え、精度も高いため、今導入自治体が急速にふえています。
二〇一五年、政令市で初めてこの機器を導入した静岡市では、家庭での一次検査で異常なしとされた児童にも、このスクリーナー検査を導入、二〇一三年に〇・三九%だった要治療児の発見率が、二〇一五年には二・七四%へと急増しています。その発見率は昨年度の世田谷区の〇・八%の三倍強、三倍強です。いかに当区の健診に見落としが多いかが疑われる数字です。こうした機器導入の効果も十分検証していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

◎鵜飼 健康推進課長

三歳児健診に、今お話にありました専門職や機器を導入して、弱視等の発見率が向上した自治体があることは承知してございます。
一方、今、区が実施している検査におきましても、一定程度の効果が上がり、毎年〇・五から〇・八%の弱視のお子さんを発見しております。そのため、区ではこの視力検査が重要なことを伝え、確実に家庭で視力検査を実施していただくよう案内を工夫し、保護者へ周知してまいります。
なお、その眼科医等の配置や検査機器の導入など、新たな視力検査の導入につきましては、まず他の自治体の状況等の把握に努め、その効果等を検証してまいりたいと存じます。

◆上川あや

お願いします。この三歳児健診を見逃すと、入学児健診まで見つからない可能性があって、入学時健診で見つかっても目の視力を強化できませんので、本当にしっかりお願いいたします。