具体的な成果

★色覚検査を受ける選択肢。全校で提供へ。

 

小学校の色覚検査が廃止されて16年。進学や就職で初めて色覚障害に気づきトラブルとなるケースが増えています。
区内では一部の小学校でのみ、希望者に色覚検査をしてきましたが、同様の「選択肢」を全校で提供するよう求め、小学校1校を除く、全区立学校で選択できるようになりました。

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◆上川あや

続きまして、区立学校での色を見分ける検査、色覚検査について伺いたいと思います。

平成二十六年四月、学校保健安全法施行規則の一部改正に伴う局長通知というものが出まして、健康診断の留意事項として色覚検査の強化が打ち出されました。おおむね次の二点が現場に求められております。
一つ目に、保護者に対して先天色覚異常と検査の周知を図り、希望者に検査を行うこと。
二点目に、教職員は色覚に関する正確な知識を持って色覚異常に配慮し、適切に指導を行うことだそうです。

この背景には、二〇〇三年に、これまで小学校四年生に行われてきた色覚検査が廃止をされて十年余り、学校生活や進学、就職にかかわるトラブルが目立ってふえてきたということが挙げられています。
色の見え方に違いのある人は、男性で五%、女性で〇・二%と言われています。日本眼科医会の調査では、中高生になっても検査がないために、約半数の人が自身の見え方の違いに気がついていなかったということもわかっているそうです。このため、地図帳を見て、自分だけ茶色の山脈の中にある赤い字の山脈の名前が読み取れない、学校で色間違いをして、先生にふざけてはだめと怒られるなど、学校生活上、多くの困難、不利益が子どもたちには起きております。
また、警察官、パイロット、航海士にはなれません。船舶免許も将来取れません。医者にはなれても検査医にはなれないということです。
こうした進路選択の制限を、それを目指す子どもたち自身がわからずに目指してしまうという悲劇も起きています。

このため、横浜市では、早くも二〇〇七年から全校で色覚検査の意向を直接伺って、将来子どもに不利益が出ないように、選択肢を全校で用意しています。実は、これまでも保護者の同意があればこの検査は実施できたそうですが、多くの学校では意向調査すら行わずに放置をしてきました。
世田谷区教委に対して伺ったところ、御多分に漏れず、色覚検査のチャンスを提供してきた学校は全九十三校中、たったの七校と把握されているのだそうです。
国の通知に基づいて色覚検査の選択肢は全校で提供されてしかるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

◎岩本 教育次長

色覚検査につきましては、社会的に色覚特性に対する差別などの問題を背景といたしまして、平成十四年に学校保健安全法施行規則が改正され、色覚検査が必須項目から削除されました。これを受けて、区立小中学校では一部の学校を除き、平成十五年度の健康診断から一律の検査を実施しておりません。
一方、教育委員会としては、早期から認識するということは大切と考えておりますので、一律の実施は難しい状況ではございますけれども、学校、医師会と十分協議しながら、お知らせだけでなく、意向確認を実施することを含め検討してまいりたいと考えてございます。

◆上川あや

含めというふうに歯切れがすごく悪いんですけれども、当たるも八卦ということで、通う学校によって対応が違うという不平等はやめてください。しっかりとチャンスを提供するようにお願いいたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。