◆上川あや

続きまして、天然記念物の指定登録についてです。

2009年10月の決算委員会と、2013年3月の予算委員会で区指定登録の文化財に天然記念物が一つもないということを取り上げました。初めてこの問題を取り上げた六年前、区が指定登録した文化財は六十七件ありました。しかし、区条例の規定に天然記念物という類型はありましたけれども、実際の保護物件は何一つない。二十三区の過半が区で取り組んでいる文化財保護の中にこれは入っているんですが、世田谷区では行われていないんですね。みどりとみずの豊かさを、あるいは文化的な豊かさを売りとしてきた世田谷区で、この分野の調査、指定が全くのノーマークということではいいとは思えません。
文化財保護審議会の会議録をチェックしました。私の初めの議会質問をきっかけに、翌年の第一回審議会から第三回審議会にかけて関連する質疑が若干出てまいります。その中では具体的な候補のリストも提示をされ、今後に期待を抱かせる議論にもなっている様子です。しかし、この三回で打ちどめなんですね。
そこで、おととし三月に、その後の対応はどうなっているのかということを改めて問いました。すると、その年の第一回と第二回、昨年の第一回審議会の会議録に再び天然記念物指定の議論が出てまいります。しかし、議論はまたしても三回で打ちどめなんですね。何の進展もないままです。毎回、区教委からはその指定登録に向けて前向きな御答弁だけはいただきます。しかし、文化財保護審議会での議論は三回行われるととまるんですね、これを繰り返しているんです。これは何らかの作戦なんでしょうか。
世田谷を特徴づけるみどりが依然として減少を続けている中で、区教委はこの問題にしっかり取り組んでいただきたいと考えるんですけれども、改めて御答弁をお伺いいたします。

◎土屋 生涯学習・地域・学校連携課長

委員御指摘のとおり、天然記念物の指定につきましては、この間、さまざまな視点から検討してまいりました。また、文化財保護審議会においても天然記念物の指定について具体的な御意見を伺っておりますが、区の天然記念物としてどのようなものを指定すべきかということについて十分に議論が深まっているとは言えない状況がございました。
教育委員会では、今年度から文化財の保存と活用について基本的な考え方を検討してまいります。その検討と並行して、天然記念物の登録、指定についても方向性をまとめ、都市整備領域など関係所管とも連携して進めてまいります。
天然記念物は、みどり多い世田谷として後世に残されていくべきものと考えておりますので、その視点からも取り組んでまいります。

◆上川あや

もう六年たっておりますので、基本的な検討からまた始めるということはどうかと思うんですね。しっかり取り組んでいただきたいと思います。

文化財保護審議会での議論、いろいろチェックしていて気がついたんですが、開催の回数が時を経るごとに減っていっているんですね。平成二十四年には五回開かれました。二十五年は四回、昨年は二回に減っているんですね。世田谷区の歴史保存、しっかりやっていただかないと困りますので、学芸員が全員退職していなくなるということも予定されておりますし、しっかりと歴史をつないでいただくように取り組みをお願いいたしまして、私の質疑を終わります。