◆上川あや
区のひとり暮らし高齢者認定審査の不備について伺います。
まず、通常の高齢者とひとり暮らし高齢者とを区分として分けた理由について伺います。
◎瓜生 高齢福祉課長
おひとり暮らしの方は、日常的な見守りや異変時の対応など、一緒に生活している御家族がいらっしゃらないため、緊急事態などの発見がおくれがちで、また、閉じこもりがちにもなりがちです。その改善を図るため、必要なサービスを御利用いただけるよう、ひとり暮らしの認定を行っております。
◆上川あや
ひとり暮らし高齢者に認められて、初めて得られるサービス、また手厚くなるサービスにはどのようなものがあるでしょうか。
◎瓜生 高齢福祉課長
ひとり暮らし高齢者のサービスとして、給食をお届けする配食サービスや慢性疾患などで常に注意を必要とする方の安全の確保のために、緊急時に東京消防庁に通報される緊急通報システムや外出の機会や地域との触れ合いの場としての会食サービス、また、非課税の方には、緊急時の連絡手段を確保できるように電話料金の一部助成を行っております。さらに、健康保持や孤独感の解消に公衆浴場を利用できる入浴券をお配りしております。入浴券は、同居の御家族がいる方とおひとり暮らしの方では枚数が異なっております。
◆上川あや
御説明のとおり、非常に多くのサービスがこれに審査でかかわるんですね。親族の見守りが期待できるかどうかということがサービスの大きな境目になるということがわかります。
ところが、その審査は的確に行われておりません。入浴券の審査を例にとりますと、記入を求められるのは、住所、氏名、電話番号と受け付け日のみで終わりです。ひとり暮らしであるのか、高齢者のみ世帯であるのか、あるいは近隣に親族がいるのかいないのかなどの項目はございません。加えて、職員が審査に際して、御家族の状況を聞くようなことも特段ないということで確認をとりました。にもかかわらず、ひとり暮らし高齢者に認められるかどうかでそのサービス内容が大きく異なる支給決定は行われております。審査が審査になっておりません。極めて不適切ではないでしょうか。
◎瓜生 高齢福祉課長
御指摘のとおり、今回ひとり暮らしの認定をするためには、民生委員さんの訪問調査というのがございますが、そちらの訪問調査を実施しないとしっかり対応できないというような点がございましたので、そういう点は問題と思い、改善してまいりたいというふうに考えております。
◆上川あや
先月十五日、私より御近所にお住まいの高齢者についてひとり暮らし高齢者に該当するのではないですかとお伺いいたしました。本来ならば、年間六十枚の入浴券が出なければおかしい方に、区は最低数の十二枚しか支給しておりませんでした。この件について問い合わせを行いますと、区は初めて誤りを認めて、最大数六十枚の支給対象者になることをお認めになりました。この審査でもポイントは何だったのかもう一度お答えいただけますか。
◎瓜生 高齢福祉課長
徒歩五分以内に御本人の様子を知ることができる二親等以内の御親族がいるかどうかが判断基準で、その点、民生委員さんに訪問調査をしていただいて、把握をしておりますが、今回の件につきましては、民生委員さんへの訪問調査の依頼を行わなかった、その点が問題だというふうに認識してございます。
◆上川あや
おっしゃるとおり、本来民生委員を派遣し、調査するべきところ、家族の交流の状況についての調査もしないで、この境目の調査をしないで支給決定を行っております。この問題は、入浴券の審査に限らないと私は考えています。課長が先ほど挙げたひとり暮らし高齢者向けのサービスは多岐にわたります。それでいて、その審査がきちんと行われてはいないわけですよね。それぞれの審査手順、さまざまなサービスがありますが、しっかり点検をして見直していただくように求めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎瓜生 高齢福祉課長
サービスのお申し込みの際は、ひとり暮らしの方を把握する大切なきっかけとなってまいりますので、サービスごとに手順に問題がないか再確認させていただき、見直しを図ってまいりたいと考えております。
◆上川あや
今回の事案では、私がその改善に乗り出す前に、実際には所管部には二度試されるチャンスが、誤りに気づくチャンスがございました。一度目は、家にお風呂がないんだから、もっと入浴券がもらえるはずだよとこの女性の方は、御近所の男性の方から言われて区役所を実際に訪ねております。アドバイスをした方は、高齢者のみ世帯、御夫婦でしたが、家にお風呂がある高齢者のみ世帯の場合は、区の要綱に基づいて十二枚、同じ枚数が出るんですね。ひとり暮らしで家にお風呂もない彼女の支給枚数が同じ枚数だというのはおかしいということでアドバイスをしたそうです。ところが、このときも区に来た女性に対して、所管部は機械的に親戚宅との距離だけをはかって、絶縁状態であることを聞いていないで、枚数の増を却下いたしました。
二度目は、本人を見守っていらっしゃったあんしんすこやかセンターの主任ケアマネの方です。この四月、近くにあった厚生会館が廃止をされました。そこにあったお風呂は使えなくなりました。この方は、生保の認定基準すれすれで我慢して生活をしております。隣駅にある二百円で使えるコインシャワーに通ったり、夏の暑いときにも体をふいたりして、銭湯は四百六十円かかりますから、我慢をしております。この状況を知ったケアマネさんが区の所管部に、本当は枚数増できるんじゃないですかということを聞いてくださったんですが、個別の事情はともかく聞きませんとぴしゃりとはねのけたそうです。
みずからの審査の基準についてすらしっかり御存じではない。加えて区民高齢者のお話をきちんと聞こうともしない。また、あんしんすこやかセンターの主任ケアマネからお話のサジェスチョンがあっても、改めて自分の審査基準を見直そうともしない。これが高齢福祉部の態度なんでしょうか。
先ほどほかの会派からこういう審査を的確にやってほしいと言いましたけれども、全くやっていないんですよ。これについて高齢福祉部長のお考えを最後にお伺いしたいと思います。
◎田中 高齢福祉部長
今後は、ひとり暮らしとか、高齢者のみ世帯の方がさらにふえていくことが予想される中で、お一人お一人の御事情やニーズをきちんと受けとめて、適切なサービス提供につなげていくということは一層求められることだというふうに考えておりますので、今後、しっかりと取り組んでまいります。
◆上川あや
本当に事ほどさようにずさんな審査では本当に困るんですね。先ほど課長から説明があったとおり、配食サービスも、緊急通報システムも、会食サービスも、これは全部これにかかわるんですよ。これは本当にお一人の方がきっかけで、ずさんな審査ということがわかりましたけれども、これは全体的に福祉の所管部でどういう審査が行われているのか、教訓として皆さん受けとめて、しっかり現場対応を果たしてください。よろしくお願いいたします。
以上、終わります。