◆上川あや
次に、いじめの早期発見に向けた児童生徒を対象に実施する調査についてです。
この春、区教委が策定をしたいじめ対策基本方針で、四つある柱の一つは早期発見ということだったんですが、いじめの実態を把握するために、児童生徒を対象に実施予定の調査の頻度を伺ったところ、各学期に一回、年三回の実施が早期発見の調査だと聞いて驚きました。余りにも低頻度です。
といいますのも、下関市では、各学校・学級で毎週一回アンケートを行っているんですね。
今回は、下関市教育委員会からいただいたそのアンケートのサンプルを各校に示しているものをいただきましたので、パネルに起こしましたので、ごらんいただければと思います。上が小学校高学年、中学生用で、下が小学校低学年用なんですけれども、基本的に尋ねているエッセンスは同じです。
上から日付とクラス、名前、そして当てはまるものに丸をつけましょうということで、三つの設問があります。
あなたは友達のことで困っていませんか、あなたの周りで困っている友達はいませんか、先生にお話ししたいことはありますかということで、自分自身についても、周りの子についてもイエローランプがともればわかるシンプルな調査です。次のパネルに移りたいと思います。
これはスマイルチェックシートというもので、縦方向は一週間ごとの期間を、横方向は楽しかったか、またつまらなかったかどうかというのをイラストで、笑顔から泣き顔までで示しています。
どちらも今の心の状況や周りの人とのかかわり合いをそれとなく知ることができますし、先生たちは常に困っている子がいないかどうかを気にしている。また、いじめている子がいないかも気にして見ているということを明確なメッセージとして伝えられるすばらしい取り組みだなと思いました。
所管課に伺いますと、世田谷でも学校独自に工夫されたアンケートの実践が一部の学校にあるそうですけれども、よいアンケートの内容は、ぜひサンプルとして示すなど、共有を図っていただきたいですし、その頻度を年三回ではなくて高めていただきたいと思います。区教委の見解を伺います。
◎齋藤 教育指導課長
いじめを早期発見するためには、教職員が日ごろから子どもたちが一人で悩んでいたり、トラブルを抱えていないかなど、子どもの少しの小さな変化やサインを見逃すことのないように、温かく子どもの様子を見守ることをまず基本としてございます。また、委員お話しのアンケート調査は、東京都が学期ごとに実施するのに合わせて年間三回行っているものでございます。
各学校では、このアンケートのほかに、学年会とか、職員会議、生活指導の打ち合わせなどにおいて、子どもの様子については、定期的に情報交換をして状況を把握するように努めています。さらには、子どもの状況を把握するために、適宜、学校の生活の様子を振り返るアンケート調査をやっている学校がございまして、教師と子どもの心のつながりを密にしているというような学校もございます。
このほか、本年度から小学校五年生と中学校一年生の全員に新たにスクールカウンセラーとの面談を実施しましたので、教育委員会といたしましては、こういった校長会、教育相談の研修会などを通して、いじめを防止するためのさまざまな効果的な取り組みを各学校に広めて、いじめの早期発見、対応に向けた取り組みを充実してまいりたいと思っております。
◆上川あや
頻度を上げるおつもりがあるかどうかがわからなかったんですけれども、いかがですか。
◎齋藤 教育指導課長
そういった日常の振り返りを、東京都のほかの細かなアンケートなどについては検討して進めていきたいと思っております。
◆上川あや
その結果をぜひ見させていただきたいと思います。