◆上川あや

本日、私からは、高齢者、障害者のスポーツ振興について伺います。

区のスポーツ振興計画では「『いつでも』『どこでも』『だれでも』『いつまでも』スポーツに親しみ、楽しむことのできる生涯スポーツ社会の実現」を目指しています。この理念には当然、高齢者や障害者も含まれているはずです。ところが、現実には高齢者や障害者には参加機会の提供を初めとしてまだまだ多くのバリアが残されていると感じざるを得ません。そこで、本日は、最も多くの参加競技を持ち、参加者数も多い世田谷区民体育大会と世田谷246ハーフマラソンについて見ていきます。
まず区民体育大会です。
ここには三十四の競技がありますが、障害者に配慮した種目がそもそもありません。以前私が提案いたしまして、区のほうで障害者スポーツ交流デーというスポーツイベントを開いていただいたんですが、残念なことに二回で終わってしまいました。以来、障害者に配慮のある競技の場、活躍の場というものはありません。オリンピックに連動してパラリンピックがありますように、また、知的障害者を主体としたスペシャルオリンピックスというものもございます。世田谷区民体育大会なども障害者を含めていく姿勢がまず必要ではないのかと思いますけれども、いかがでしょうか。

◎梅田 スポーツ振興課長

区民体育大会につきましては、公益財団法人世田谷区スポーツ振興財団が主催しまして、世田谷区が共催し、スポーツ振興財団の賛助会員である各競技団体が主体的に運営する形で開催しております。
御指摘いただきましたとおり、現状の区民体育大会の実施要項には、種目や参加資格等に障害者の表記がなく、ほとんどが性別や年齢別で表記されております。区としましては、平成二十三年に新たに制定されましたスポーツ基本法や世田谷区スポーツ推進審議会からの答申を踏まえまして、今後、障害者スポーツの振興にさらに力を入れていきたいと考えており、御指摘いただいた内容も含め検討していきたいと考えております。

◆上川あや

続きまして、高齢者の扱いを見てまいります。
先ほど申し上げましたとおり、この大会には三十四の競技があります。このうちシニア、マスターズ等、年齢別の競技種目を設けている競技は十六しかありません。つまり半数を超える十八の競技、ここには陸上、野球、柔道、剣道、バレーボール等、高齢者の競技人口が比較的多くて、なおかつ年齢による体力差も出やすい競技が含まれておりますけれども、これらに年齢別の競技種目はなく、選出された参加者は、勢い若い世代に偏ってしまいがちなのではないかというふうに感じます。
東京オリンピックが開かれる二〇二〇年、高齢者の人口は三人に一人だそうです。高齢者の日ごろの練習、鍛錬の成果を発表、披露できる場の確保、充実も同大会の今後を考えていく上では重要なテーマであるはずだと考えるんですけれども、この点はいかがでしょうか。

◎梅田 スポーツ振興課長

区民体育大会では、三十三団体、三十四競技の大会を実施しており、高齢者の方にも各競技大会に出場していただいております。
例えば、テニス競技大会では、男子シングルス六十歳以上、男子ダブルス六十歳以上、水泳競技大会におきましては、一般六十歳から六十九歳の部、卓球大会では六十歳代のシックスティー男女、七十歳代のセブンティー男女など、年齢別の種目を設定している大会もございます。また、ゲートボール大会やソフトボール大会など、年齢による区分はございませんが、一般の中に高齢者の参加が含まれる大会も実施されております。今後も、既存事業の中で高齢者を対象としました競技種目を設定するなど、各競技団体との調整も含めまして、スポーツ振興財団と連携し、高齢者の方が日ごろの活動の成果を発表する場の拡充について検討していきたいと思っております。

◆上川あや

ぜひしっかりお願いいたします。

続きまして、世田谷246ハーフマラソンについてです。
まず年齢制限につきましては、十八歳未満は保護者の同意が必要ですと案内文にあるだけで上限については特段の定めもなく、規定の時間内に走っていただける健康な方であれば、高齢者でも十分楽しんでいただける大会なのだろうと思います。
しかし、障害者についてはまだまだハードルが高いと感じます。
例えば、視覚障害者のマラソンです。大会のパンフレットを拝見しますと、次のような記述が出てきます。レース中の伴走は、事前に申し出があり、主催者の許可を受けたものを除き認められません。これでは伴走者を伴う視覚障害者の参加に非常に後ろ向きだという印象を抱かざるを得ません。現に、伴走者を伴った視覚障害者の参加はこれまで一例もないそうです。また、コースにも配慮があるとは思えませんでした。かつては、視覚障害者がマラソン大会に参加することは難しい時代もあったそうですが、現在では全国のほとんどの大会が、視覚障害者から申し出があれば断らないといいますし、積極的にまた参加を呼びかける大会もふえています。
例えば、全国有数の人気マラソン大会に成長している福知山マラソンというのがあります。これは、福知山市や同市の教育委員会が主催するイベントでして、早くから一般の部のほかに視覚障害者の部を設け、二〇〇〇年からは全日本盲人マラソン選手権を一つの大会で兼ねて健常者も一緒に走るんですね。その案内文にはこうあります。視覚障害があり、伴走者を要する場合は、伴走者の登録を行ってください。これこそが望ましい記述の方向だろうと思います。
また、同大会は、世田谷区と同じ日本陸連公認大会であるほかに国際パラリンピックの公認大会でもあるそうです。同じ時間、同じコースを、障害のある人もない人も一緒に走れる、こうした大会こそ、世田谷区が目指していくユニバーサルデザインなのではないかと私は考えています。世田谷区の大会もぜひ近づけていっていただきたいと願うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

◎梅田 スポーツ振興課長

世田谷246ハーフマラソンへの視覚障害のある方の参加につきましては、コースの幅や道路の形状など、現状のコースの安全管理上の課題があると考えております。
委員御指摘のとおり、世田谷246ハーフマラソンの大会要項の中には、その他の事項としまして、レース中の伴走は、事前に申し出があり、主催者の許可を受けたものを除き認められませんとの表記があります。本項目につきましては、伴走者を伴って参加を希望する場合に、事前にしていただくよう御案内するために記載しているもので、視覚障害者を排除するものではございません。しかしながら、視覚障害者の参加に後ろ向きであるとの印象を受ける場合もございますので、今後、誤解を招くことのないよう、大会要項の表現を改めるなど案内を工夫してまいりたいと考えております。
また、第八回目を迎える今大会では、駒沢オリンピック公園運動場第二球技場において、視覚障害のある方のランニング、または伴走者の教室を予定しております。障害者スポーツの理解促進につながるよう、スポーツ振興財団とも連携し、準備を進めてまいりたいと考えております。

◆上川あや

この点でもしっかりとした改善が実現されるように願っています。