◆上川あや

蛍光灯、蛍光管のリサイクルについて伺います。

区のホームページの六月二十八日付の記事に、家電量販店における蛍光管電球の回収についてというものが出ました。個人のお客様を対象に下記の家電量販店では、蛍光管、電球の買いかえの際に古い蛍光管、電球の引き取りを行っています。原則一個の買いかえにつき一個の引き取りとなりますと書かれており、対応する家電量販店として、コジマ電気の若林店と用賀店の二店舗が紹介されていますが、これだけで資源回収は進むものでしょうか。
区部では、江東区、中央区、品川区、台東区、葛飾区が昨年度までに、そして千代田区もことし四月から蛍光管類の資源回収をスタートさせておりまして、立て続けにふえています。このうち、品川区は、拠点回収ではなく、集積所回収だそうです。区内量販店の一つ購入したら一つだけ引き取るというのは非常に非効率ですし、区民にとってはお金もかかる話です。加えて、地理的な制約の強い二店舗のみの取引です。これでは水銀を含む危険物であるはずの蛍光管の不燃ごみとしての廃棄は減りそうにないと感じました。資源回収を表向き表明している量販店がありましても、実際にはリサイクルに回すことなく、不燃物として処理をしているケースもあるといいます。
区が掲げる拡大生産者責任という考え方そのものは、基本的に支持したいとは考えるんですけれども、区のこうした手法だけでは、この先どれだけ回収率が上がるのか非常に疑問なんですが、いかがでしょうか。

◎阿部 清掃・リサイクル部事業課長

ご存じのとおり、業界各団体におきましては、拡大生産者責任に基づきまして、例えばボタン電池や充電式電池が販売店にて回収され、家電量販店の一部においては、買いかえ時に使用済み蛍光灯、蛍光管などを引き取るなど独自の取り組みが実施されております。区といたしましては、世田谷区一般廃棄物処理基本計画にあります区民、事業者主体の取り組みを推進する。そして拡大生産者責任の考えに基づく発生、排出抑制を推進するという基本方針に従いまして、各業界団体の自主的な回収の取り組みを支援すべく、ホームページやリサイクルハンドブックを通じまして、区民の皆様に積極的に情報提供しております。
ご指摘のとおり、蛍光管リサイクルの現状は非常に限定的ではございますが、今後も区民の皆様方が手軽に蛍光管回収へご協力いただけるよう、例えば家電、蛍光管を扱っているスーパーなどに働きかけを行っていきたいというふうに考えてございます。

◆上川あや

かけ声をかけるだけで、中身がないようでは困ると思っているんです。

都内では、最近、水銀混入ごみによる清掃工場の停止が相次ぎました。昨年は足立、板橋、光が丘、そして区内にある千歳の四工場で、ことしに入っても、目黒、杉並、千歳の三工場で水銀を含む有毒ガスが発生し、炉が停止いたしました。現在、国民一人当たりの蛍光灯類の消費量は年間三本だそうです。しかし、経済産業省が来年までに家庭用白熱電球の廃止する方針を打ち出しまして、またメーカーも次々にラインをとめている中で蛍光管へのシフトはますますふえる傾向にあるそうです。
平成十五年二月施行の土壌汚染対策法では、埋め立て禁止の特定物質の一つに、この蛍光灯にも含まれる水銀が指定されています。また、改正廃棄物処理法でも水銀を含む蛍光灯のリサイクルは焦眉の課題となりました。従来無害とみなされた無機水銀そのものも、土中のアセトアルデヒドやアセチレンとの化合、また紫外線による光化学反応、また微生物の作用によって神経毒である有機水銀に変わるということが指摘をされるようになっています。
蛍光灯類については、既にガラス、金属、そして水銀のそれぞれで再利用できるルートは確立をされています。あとは自治体の判断だろうと思います。資源回収の機運はこれまでにもなく高まっている中、所管課では既に資源回収を行った場合の試算もあると伺っているんですが、検討状況をお聞かせください。

◎阿部 清掃・リサイクル部事業課長

水銀につきましては、水銀含有製品、これは血圧計と体温計でございますが、本年九月から区内十一カ所にて回収を始めまして、推計で三百四十七グラムを現在回収しているところでございます。
蛍光管回収を資源回収として回収した場合につきましては、例えば月一回集積所で回収するモデルを組み立てますと、排出量は年間一人当たり三本の計算で二百五十六万七千三百七十本、重量換算で六万四千三百四十二キロ、これを条件といたしまして、運搬経費が一億六千三百七十八万円、処理経費が一千二十九万円、合計で一億七千四百万円ほどの経費が必要になります。そういう試算が出てございます。

◆上川あや

不燃物の日の半分は危険物回収にするなど工夫することで、またこのコストは大分下がるというふうにも聞いていますので、しっかりとした研究を続けてお願いしたいと思います。
いずれにしても、費用の負担は大きな問題だと思います。しかし、ここに来て一発逆転の可能性も見えてきたように私は思っています。
先月六日のことになるんですが、福岡県庁で画期的な取り組みを発表する記者会見が行われました。ここに資料がありますけれども、タイトルには全国初使用済み蛍光管からレアアースを回収、再資源化と書かれています。簡単に申し上げると、使用済みの蛍光管の内部にまぶされている蛍光粉という粉からは、ハイテク部品に使われるレアアース五種を抽出、生成、それに販売する事業をした場合に、これが採算に乗るという可能性が出てきたというふうに伺っています。
県によりますと、この蛍光粉には、ハイテク部品の原料になるレアアース五種が一本当たり一・四から三・五グラムも含まれているということで、国内にある蛍光管、捨てられているものを合算すると、年間五百トンのレアアースが回収できるそうです。新たな都市鉱山とも言うべきもので、ごみが一転して宝の山に変わるということです。年々レアアースの価格は急騰しておりますので、今年度から早速事業化に踏み切りということでした。
世田谷区としてもこうした取り組み、望むところだろうなというふうに思うんです。こうした動きを参考に世田谷区としてもさらに検討を進めていただけないかなと思うんですけれども、お答えいただければと思います。

◎阿部 清掃・リサイクル部事業課長

世田谷区では、現在、蛍光管などは不燃ごみで回収しております。回収された蛍光管は、清掃一部事務組合の不燃ごみ処理センターにおいて破砕しまして、金属部分の回収を行い、その他は埋立処分されております。
お話の先駆的事例につきましては、私どもも注目しているところではあります。貴重な資源をできるだけ回収、利用するという方向は、区も推進していくべき方向と認識してございます。
本年十月からは粗大ごみの資源化を実施いたしまして、さらに、不燃ごみに含まれる小型家電などの資源化を目指して検討を進めているところでございます。
区においては、今後も環境への負荷軽減などの効果と費用を勘案した効率的な事業を展開するとの一般廃棄物処理基本計画の基本方針に即しまして、他自治体の取り組みや技術動向など情報収集を行い、蛍光管リサイクルについて、その収集体制や経費などを今後も調査研究してまいります。

◆上川あや

積極的によろしくお願いします。