区と区教委で検討中の、いじめ関連条例素案について伺います。

先の本会議で私が取り上げた、小中校舎一体型の小学校で起きた集団いじめ・暴行事案で、区教委は、卒業式を理由に加害児童への聞き取りを怠ったこと、同聞き取り以前に、その保護者に連絡を入れたこと、区教委の示す手引きに反し、同聞き取りを時間差で行ったこと、警察待ちを理由にその後の指導も止まったこと、加害児らの謝罪もないまま、被害者と同一校舎の中学へ進学させたこと――など6つの不手際を事実と認め、区長とともに謝罪しました。
同様の事態の再来を防げる規定が現在のいじめ条例素案にあるのかといえば、私には全くないとしか思えないのですが、区教委の見解はいかがでしょうか?

ただ今、具体的な対応はガイドラインなどに示すとご答弁されましたが疑問です。
先の本会議では多くの会派が、この条例に実効性の担保を求めました。しかし、区教委の示す手引きは、先の事案で守られませんでした。新たなガイドラインも、学校と教員が準拠すべきものとして条例に位置付けなければ、同じ道をたどり、実効性の担保にはつながらないものと考えます。ガイドラインへの準拠を条例に規定する考えがあってのご答弁でしょうか。

次に、条例素案が掲げる「早期対応」についてです。
条例素案は、第1条(目的)に「早期対応」を掲げ、第14条の見出しも「早期対応」となっています。ところがその本文に「速やかに」等の迅速性を促す表現は一切なく、見出しと中身が違うのです。
いじめ防止対策推進法(以下、法)の第23条は、学校に「速やかに」事実確認を行うよう求め、支援と指導を「継続的に」行うことまで定めています。
ところが先の事案では、加害児童らへの聞き取りは3日後に遅れ、その後の指導は警察待ちで約半年間止まりました。手引きは現にあったのに、守られなかったのです。重大事態を防ぐためにこそ、初期対応の迅速性の確保を条例規定で縛るべきと考えます。
第14条に、法が求める速やかな「事実確認」と、指導・支援も遅滞なく継続的に行うべき旨を明記すべきではないですか?

次に、区教委及び各学校が定める基本方針についてです。
素案は、第16条で区教委に、第17条で各学校に基本方針を定めさせるとしています。しかし、それらが学校と教員をどこまで縛るのか、その規範性は条文のどこにも示されていません。しかも第17条は、学校が区の方針を「参酌して」定めるとするのみで、区の方針を下回ることすらを妨げません。
現に、先の事案の小学校の基本方針は、区教委の方針を参酌して策定されたとのことですが、法第23条が求める「速やかな事実確認」は、「いじめの情報を確認する」と迅速性も正確性もない表現にまで後退していますした。
同方針もガイドラインも、規範性が曖昧なままでは、守られなかった手引きと同じ立場に置かれます。法、区教委の方針、ガイドライン、各学校の方針の規範性と相互の関係を、条例上どう整理するのですか。