★水も電気も不要の「無水小便器」を導入。
スイスのマクドナルドでは全店が導入しているという無水小便器。電気、水不要で災害に強く、悪臭のもととなるバクテリアも水栓式の1/5と少なく衛生的ですが、認知が広まっていません。上川の提案で、区が率先して玉川区民会館に導入、同ホールのトイレに設置されました。
★「自ら発電する水栓」も導入されました。
非接触式で衛生的なトイレのセンサー付き水栓(蛇口)。でも停電時には機能しません。上川の提案で、配管内の水圧で自ら発電できる水栓が玉川総合支所第一庁舎のトイレと、同ホールのトイレに導入されました。
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◆上川あや
初めに、省エネルギー、省資源、かつ災害にも強い公共施設整備手法の方法について三点提案をしてまいります。
提案の第一は、災害にも強い、水も電気も必要としない小便器の活用です。
欧米で今、水も電気も必要としない男性用小便器の導入がふえています。
ここでパネルを提示いたします。無水小便器
このパネルは、今回、私が取材に訪れました都内民間企業内の無水小便器の画像です。この左側です。水も電気も不要なら省資源には違いない。断水や停電の影響も受けない、強いはず。しかし、清潔とは言いがたく、におうのではないか、皆さん、そう思われるのではないでしょうか。
ところが、私が実際に訪れましたこのトイレに嫌な悪臭は一切いたしませんでした。ここでとられている清掃方法はアンモニアを分解する微生物をスプレーして拭き取るというものです。メーカーによりますと、このシンプルな清掃方法だけで無水小便器につく微生物の数は水洗トイレの五分の一に抑えられるといいます。悪臭の成分アンモニアも微生物がつくり出すものですので、当然においも少なくなるそうです。排水管から上がる臭気も、排水口に浮かぶブイ、この緑の部分ですが、このブイによって巧妙に押さえ込まれていました。
スイス国内ではマクドナルドの全店が、また、ドイツ国内でもバーガーキングの八割の店がこの無水小便器に設備を切りかえたそうです。悪臭を最も嫌う大手外食チェーンが一斉導入に踏み切っていることからも、悪臭への懸念は払拭できるのではないでしょうか。
トイレの運用コストの大半を占める水道料金がこの種の便器では不要となります。このため、駅や劇場等利用者が多い施設なら、一年を経ずして便器の交換費用はいわゆるペイできるそうです。既に大阪の南海電鉄では、平成十九年三月以降、駅のトイレを順次この無水小便器に切りかえており、平成二十年度、その節水効果は年三万三千二百五十六トンに達したと発表しています。
そこで、区の施設でもこの設備を導入してはどうかと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。提案の第二は、災害にも強い、みずから発電する水栓の活用です。
センサーつきの手洗い水栓の設置は、近年の施設整備では一般化しています。非接触式であるため、衛生面ですぐれ、節水効果も期待できます。しかし、従来の電源を必要とする水栓は停電時に使えなくなるという欠点がありました。ところが今、大手メーカーを含め、みずから発電する水栓の販売がふえています。超小型の発電機を内部に仕込むことで、センサーと弁の駆動に必要な電力を流水のエネルギーから賄い、価格も従来品と数千円程度しか変わりません。配線も電気代も不要、停電時にも問題なく使えます。この設備の導入もあわせて提案いたしますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。この質問の最後に、電気を使わない自動ドアの活用を提案いたします。
人の体重をてこの原理で応用し、自動で開閉するドアが注目を集めています。最近、NHKのニュースでも取り上げられましたので、ごらんになった方も多いかもしれません。現在、同種の製品を国内の三社が製造し、公共施設、学校、銀行等への設置例もあるようです。設置費用は基本的に電動ドアと同程度、電気代が不要なため、数年で導入コストもペイできるそうです。体重がエネルギー源であるため、閉じ込めがなく、停電時にも安定して動くメリットがあります。大手ギョーザチェーン店の王将では、このドアの導入で一店舗当たり年間七千二百キロワット、電気代にして十四万円の節約になると見込み、ことし、改装、新規オープンする店舗の約半分にこの自動ドアを導入すると発表しました。
区の施設にもこのドアを導入することを提案いたします。区の見解を伺います。
◎柳澤 施設営繕担当部長
災害にも強い機器の活用につきまして三点ご答弁申し上げます。
東日本大震災後、節電など一層の省エネが求められており、区では、公共施設における一層の省エネ推進、災害時の対応を図るため、この八月に公共施設省エネ指針に基づく運用基準を策定いたしました。今後、この運用基準に基づき施設改修を進めてまいりますが、新しい機器も出てまいりますので、有効性等も検証しながら導入を検討してまいります。最初に、議員ご提案の水も電気も必要としない小便器についてですが、メーカーのカタログによれば、これは薬品を小便器に塗布することとともに、排水部分に専用カートリッジを設置することにより、においを抑制するという製品でございます。便器洗浄のために水は使いませんが、専用カートリッジの定期的な交換が必要となります。
公共施設のトイレは、ユニバーサルデザインの観点や環境面、衛生面並びに保守の容易性などの配慮が求められています。区ではこれまで、だれでも使いやすい衛生的なトイレの整備を進めてきましたが、今後もどのような施設にどのようなトイレがふさわしいか、災害時の観点も十分考慮して、公共施設のトイレを整備してまいります。次に、みずから電力を供給する自動水栓でございますが、現在のトイレの洗面器等に設置されている自動水栓は、センサーにより感知し、水を自動的に出すもので、手が水栓に触れないため、衛生的にはすぐれております。しかし、センサーに一般の電源を使用している場合、停電時には水は出なくなります。一方、自己発電式自動水栓は、水が流れ出るときのエネルギーにより発電された電力を蓄電池にためる仕組みのため、停電時でも使用できますが、電力を維持するために一日二十五回以上水栓を利用する必要があり、長時間利用しない施設では課題がございます。
今回の震災を受けて、トイレの水栓をすべて電気式の自動水栓にすることの問題点も明らかになりましたので、今後は、災害にも強い公共施設の観点から、施設の利用時間等を踏まえ、自己発電式自動水栓について調査を進めてまいります。最後に、電気を使わない自動ドアについてですが、本年三月の震災後、注目されるようになりました。通常の自動ドアと比べ、電気使用量を削減するメリットだけではなく、停電時でも使用でき、手でも軽くあけ閉めできます。このため、災害時や停電時の施設の機能維持に有効な手法であると考えます。
一方、公共施設は、だれにでも安全に利用できる自動ドアが求められていることから、車いす対応などユニバーサルデザインなどの観点からも、より詳細な調査が必要であると考えます。今回の議員ご提案の小便器、水栓、自動ドアについては、今後調査研究を進め、費用対効果やメンテナンスが容易であることが確認され、公共施設における設置が可能と判断したものについて設置していきたいと考えております。
以上でございます。