自分が内面に抱える難問をごまかすことなく、真っ直ぐ向き合って乗り越えてきた人だけが持つ優しさ。それが、今から十数年前に上川あやさんに初めてお会いしたときに受けた僕の第一印象です。その後、彼女が世田谷区議会議員に立候補すると聞き、僕は彼女ならきっと社会の中でマイナリティの立場にある人たちのことを大切にし、バランス感覚のある政治活動をしてくれるだろうと思い、微力ながら応援させていただくことにしました。
性に対する偏狭な意識が残る社会において、自分の性に対して強い違和感を抱いた人が、その問題に真摯に立ち向かった結果、自らの性を変えることを決め、やがて家族や親しい友人だけではなく、社会に対してもカミングアウトするというのは大変勇気のいることだと思います。上川さんの場合はそれだけではなく、自分と同じ境遇に悩む人たちや、あるいはそれとは事情が全く違っても何らかの理由で社会的に抑圧されている人たちを救いたいという思いから政治活動を開始されたわけですから、僕は一人の人間としてその姿勢に強い共感をおぼえます。
区議会議員になられてからの上川さんの活動は、性的マイノリティを取り巻く環境の改善だけではなく、聴覚・視覚障害者の情報保障や、喉頭摘出者の声のリハビリテーション、また、オストメイト対応のトイレの整備や、ホームレス支援など、社会的マイノリティの環境改善を軸としたものとなっています。議員になった当初の志を大切にしながら、こうした活動を地道に展開・継続している上川さんに敬意を表したいと思います。
人が人として、その能力や個性のまま受け入れられ、それぞれの努力の結果が正当に評価されるような社会。しかし、それによって全ての人の人権や尊厳が脅かされないような社会を僕は望んでいます。そして、世田谷を「誰もが、自分らしく暮らし、自分の能力を発揮できる街」、「子どもが健やかに育ち、誰もが安心して年を重ねられる街」、「偏見や差別のない街、弱い立場の人々の意見が尊重される街」にしたいと語る上川あやさんのますますの活躍に大いに期待しています。



