最後に性の多様性に配慮した全庁的な「ガイドブック」の作成についてです。
23区のうちすでに8区が作成・公表している、区民等の性の多様性に適切対応するための職員向けガイドブック・対応要領等について、本区でも整備できないでしょうか。
先に述べたように本区は全国に先駆けパートナーシップ宣誓制度を開始し、全国で初めてトランスジェンダー当事者の議員を議会内に擁し、また性自認・性的指向への差別禁止を明文化した条例をもつ数少ない自治体の一つであり、全国的にもLGBTQ支援の最先端を行く都市だと目されています。
ところが、実際には本区のLGBTQ支援施策の多くが「行政発」ではなく、議員からの指摘や提案を受け初めて、検討、実行されてきた経緯があります。
本来、性の多様性への配慮は、各種・行政書式のデザインや相談・受付対応における配慮、トイレや更衣室といった施設整備のあり方、福祉や医療、教育に係る人材育成とそのサービス、また、職員の福利厚生やハラスメント防止対策、居住支援や災害対策に至るまで、まさに全庁の各課が日常的に留意すべき重要事項であるはずです。
ところが人権男女共同参画課以外の自分事意識、当事者意識は決して十分ではないというのが私の実感です。
この点、他の区で進む、「職員向けガイドブック」等の作成には――
・職員間に共通理解を育て、判断基準を明確にする
・「聞いてよいのか」「どう表現すべきか」などの戸惑いを減らす
・当事者対応への萎縮や誤解を防ぎ、適切で速やかな対応を後押しする
・区政への信頼を高め、相談しやすい環境をつくる
・職場内の無意識の偏見や不適切な言動を防ぐ
――など多くの効果が期待できます。
以上の理由から本区もガイドブック等の作成と共有に取り組んでいただけたらと願うのですが、いかがでしょうか。



