続けて、2021年9月の3定で取り上げた区の花、サギソウの区内在来種「武蔵野」の探索と今後の利活用についてです。

大正時代、三軒茶屋の田圃で採取されたと伝わる「武蔵野」が、今なお存続しているの確認は、その後、順調に進み、この12月にもDNA解析の結果が出る見通しだと伺っています。

その探索は、まず都立園芸高校で教鞭をとられたのち、東京農工大学に移られた園芸専門家の先生がこの「武蔵野」と伝わる種をお持ちであることを確かめ、そのご協力を仰ぎ、次いでNHK「趣味の園芸」で講師を務められた別の先生と、そのご家族により守られてきた種もあると判り、併せて解析を進めてきたものです。

しかし、これほど貴重な区内在来種の継承と育成が、ごくごく限られた民間のご意思や労力、コストとスキルのみに依存してきた現状は、行政としてバランスを欠くものと言わざるを得ません。

初めてこの件を取り上げた2021年当時、区のフラワーランドの専門員が「10年ほど前まで、この武蔵野を育てていた」とも伺いました。ならば区も改めて栽培に加わることでリスク分散を図れないのでしょうか。

また、初回の質問時に提案した農水省系ジーンバンクへの預託(よたく)など、絶滅を回避する策についても再検討を求めます。

以上の提案も含め、今後、貴重な在来種の保全と利活用をどう進めていく考えか、区の対応方針を伺います。