◆上川あや
区の公用車の一部に、エンジン音もなく、また車両の接近を知らせる人工音の搭載もないままに公道を走り続けている車があることについて伺います。
今回、ガソリン車以外の公用車で人工の接近音の搭載がない車がないか区に確認したところ、五台が該当すると分かりました。その全てがリースとのことですが、その駆動方式と車種、年式のそれぞれをまず御報告くださいますか。
◎田村 財務部長
国は平成二十八年に道路運送車両法の保安基準の改正を行い、歩行者などに接近を音で知らせる車両接近通報装置の搭載を電気自動車に義務づけました。区では、現在リース契約による電気自動車を六十三台導入しておりますが、当該装置を搭載していない車両が五台ございます。車種はアイミーブ、駆動方式は外部充電式の電気自動車で、年式は平成二十一年式で導入も同じ年でございます。
◆上川あや
議員の皆さんには、ぜひタブレットからパネルを御覧いただければと思います。一枚目の画像がその電気自動車、アイミーブとなっています。
区役所周辺でよく見る車だねという方は非常に多いのではないでしょうか。こうした電気自動車や低速で走るハイブリッド車はモーター駆動であるために、そもそもエンジン音がありません。そのため、歩行者が車の接近に気づきにくく、事故の危険が高まるとの懸念が以前より多くありました。
特に音を頼りに歩行時の安全確保を図る視覚障害者の方々からは身の危険を感じるとの声が多く、国ではこの間、検討組織を立ち上げ、エンジン音にも似た車両接近通報装置の搭載が義務づけられた経緯がございます。
新型車は二〇一八年三月から、継続生産車も二〇二〇年十月から義務化されましたが、区では、そうした義務化を経た以降も音の出ない既存不適格の車をなお運行し続けてきたことになると思いますけれども、いいでしょうか。
◎田村 財務部長
委員御指摘のとおりでございます。
◆上川あや
か、また、二年前のリースへの転換時、車種の変更も可能だったのにしなかったのもなぜでしょうか。
◎田村 財務部長
この五台は義務化前に導入したため当該装置の搭載義務はありませんでした。また、左折時と後退時に周囲へ知らせるボイスアラームを既に搭載していたことから、義務化後も直進時の車両接近通報装置を後づけするとの認識に至らなかったのが実情でございます。
◆上川あや
悪意がなかったとはいえ、直進時の安全対策を欠く車での走行です。それらの運行状況も御報告くださいますか。
◎田村 財務部長
この五台ですが、令和六年度の五台トータルの走行回数は千三百六十九回、走行距離は一万五千二百二十五キロメートルでございます。
◆上川あや
非常に頻繁に走らせてきたことは明らかですが、このままでよいとは思えません。
ここで、二つ大変興味深いレポートを御紹介します。
一つは、ハイブリッド車が視覚障害者の路地横断時の安全性や安心感に及ぼす影響と題したレポートで、今回これを手がけた慶應大学教授ともやり取りをさせていただきましたが、その一部データから御紹介します。同調査は、単独歩行する視覚障害者が路地を横断する際、どのような情報を手がかりに歩行し、どんな困難や不便さを感じるか、また、車の音をどの程度利用しているのかを明らかにするため行われたもので、今回のリスクを考察する上ではうってつけのレポートです。単独歩行が可能な視覚障害者百二十一名から回答を得た結果として、路地の横断時、車の確認には音を手がかりにしている方が九二・六%と圧倒的。路地では車に気づかず危険な経験をしたことがあるとの回答も八三・五%と大多数。また、静かな場所でも危険な目に遭ったとの回答も三二%と高く、路地で車等にぶつからないかどうか不安に思っている割合も五二・一%と過半数に達しました。いかに視覚障害者の安全確保に音の出ることが重要かは明らかです。
では、アイミーブの音に気づけるのかどうかですが、こちらも大変興味深いレポートがあるので御紹介します。ぜひパネルを御覧ください。これは、現在も国土交通省のホームページで公開されているハイブリッド車等の静音性に関する体験会の報告結果についてというレポートです。
次のページをお願いいたします。
被験者は十五名の視覚障害者を含めた四十名、半数の二十名ずつを前方から車が来る人、後方から車が来る人とに分けて並べ、発進音と接近音をそれぞれが聞こえたら手を挙げていただくという実験が行われました。
その結果は、パネルを見ていただくと一目瞭然です。次のページへ行ってください。停止後の発進音の実験では、アイミーブが一番下の赤い囲みになりますが、前方からの発進だろうと後方からの発進だろうとほとんど手が上がらない。車の音が小さ過ぎて気づけないのです。
次のパネルに行きます。次のパネルは低速走行の実験で、こちらも一番下の列がアイミーブですが、接近音、通過音ともに気づけた人はほとんどいない。
ところが、区はこのアイミーブ五台を、安全確保に必要な人工音もつけずに十五年間頻繁に走らせてきた。これが安全第一の公用車の運行と言えるのでしょうか、区の御見解を伺います。
◎中村 副区長
公用車の運行におきまして、安全が第一ということは十分承知をしております。改めて御紹介のデータや音の体験会の結果等を拝見しますと、歩行者、特に視覚障害者に対しての十分な配慮の面で至らない部分があったと認識しております。
◆上川あや
当然の御認識だと思います。加えて、区内の道路の大部分は歩車道の分離がありません。
区に確認したところ、区道の総延長千九十五キロのうち、分離のない区道は九百三十キロと大部分を占めています。このようにデータを並べていきますと、どう考えても接近音のでないアイミーブを区がそのまま運行し続けることには問題があると考えます。よって速やかにその運行をやめるべきと求めるのですけれども、区の見解はいかがでしょうか。
◎田村 財務部長
このたびの委員の御指摘を受け、現在の人工音搭載のないアイミーブリース契約は代替車の確保がつき次第延長しない方向で対応策の検討を開始してございます。
新年度より人工音搭載の同車種等へ入れ替えられないか既に調整を始めておりますが、現在、駆動方式を問わず、自動車納期の長期化が常態化しているのが実情です。このため全面的な入替えまで、なお数か月要する可能性もあるとの御指摘のとおり、区民の安全安心の確保を最優先に、公用車の整備と運用に努めてまいります。
◆上川あや
安全確保が第一ですので、速やかに切替えをお願いいたしまして、私の質疑を終わります。








