◆上川あや
同性カップルなど家族の多様性を排除した区民交通傷害保険について伺います。
同保険は、当区をはじめ、都内十六区が保険契約者となり、それぞれの区民に提供されてきた団体保険ですが、各区で行われてきたその販売と運用には到底看過できない重大な問題がはらまれています。かねてより私は、同保険が死亡保険金を法定相続人のみに払うとし、事実婚や同性パートナーを無視することを問題視してきました。
都条例でも、本区の条例でも同性カップルへの差別は禁止ですから、区のサービスとしては甚だ不公正、改善するべきだと求めてきたのです。
これに対し区は、同性パートナーは法律上、正式な婚姻関係と認められておらず、約款に定める請求権者に当てはまらないなどとにべもなく答えてきたのです。ところが、先週、けんけんがくがくの議論の末、ようやくその約款の開示を受けると、驚くべき事実が明らかになりました。これまでの区の説明にはうそがあったのです。
約款の第三十一条第一項にはこうあります。保険契約締結の際、保険契約者が死亡保険金受取人を定めなかった場合は、被保険者の法定相続人を死亡保険金受取人とします。つまり、同保険は契約の当初より死亡保険金の受取人指定ができ、法定相続人に保険金が払われるのは、その事前指定がなかった場合にすぎない、そういうことですよね。
◎佐久間 交通安全自転車課長
区民交通傷害保険については、約款第三十一条一項にて保険契約締結の際、保険契約者が死亡保険金受取人を定めなかった場合は、被保険者の法定相続人を死亡保険金受取人としますと記載されており、委員の御指摘のとおりです。
◆上川あや
同性パートナーを受取人に指定すれば、請求権者になれる可能性は当然ある、そういう約款規定ですよね。
◎佐久間 交通安全自転車課長
同約款には、死亡保険金受取人について詳細な記載はございませんが、第二十六条二項で、被保険者または保険金を受け取るべき者が保険金の支払いを請求する場合はの中で、当社が求める書類を提出することが記載されています。御質問の同性パートナーを受取人にすれば、請求権者になれるかについては、保険会社の判断であると考えますが、受取人の指定ができる約款規定があることは事実でございます。
◆上川あや
続けて、第二項にもこうあります。保険契約締結の後、被保険者が死亡するまでは保険契約者は死亡保険金受取人を変更することができます。つまり、加入者が死なない限り、保険の受取人は変更ができる、そういうことですよね。こちらも非常に平易な文章です。当然、区も、これらの規定を理解して保険契約したのではないですか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
このたび、議員の指摘に基づき保険会社に幾度も問合せを行う中で、御指摘の規定も判明した次第です。委員引用の約款規定があることは確かでございます。
◆上川あや
ところが、区で配付しているこのパンフレットの記述を見ますと、たった一行、死亡保険金をお支払いする場合は、被保険者の法定相続人にお支払いしますとあるだけです。受取人指定ができる権利については、一切の記述がない。区は、この記述のおかしさに気づかなかったのでしょうか、あるいは気づきながらも看過してきたのではないでしょうか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
受取人の指定に関しては、このたび、委員の指摘に基づき、保険会社に問合せを行う中で判明いたしました。
なお、パンフレットの記載内容については、保険業法に基づき保険会社の対応となっております。
◆上川あや
今この記述では何が足りないとお考えでしょうか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
約款に記載のある事項で、パンフレットに不記載のあることが判明いたしました。例えば、受取人を指定できる記載内容が不足していると認識しております。
◆上川あや
そうですよね。しかし、問題はパンフレットだけではないんです。
区のホームページからたどれるウェブ上の申込みフォームや、この金融機関に配架されている申込書類も全て受取人指定ができない仕様です。受取人を書く欄そのものがないのです。区は今述べた指摘もお認めになるでしょうか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
保険会社にも確認いたしましたが、申込みフォームや申込書類に受取人指定の欄がない仕様になっていることは、そのとおりでございます。
◆上川あや
私も区から、この受取人指定のない申込用紙を頂きました。区は、この書類を見ておかしいとは思わなかったのでしょうか。約款とまるで違うことは明らかではないのですか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
重ねての御答弁となりますが、このたび、委員の指摘に基づき確認を行う中で判明いたしました。区民に加入を促進する立場である区として注意が足りなかったと反省しております。
◆上川あや
受取人指定のできないそごは、十六区全てに共通するでしょうか。また、その加入者は十六区全体で何人になるでしょうか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
保険会社に確認したところ、受取人指定の扱いについては十六区共通とのことです。
令和六年度実績といたしまして、世田谷区加入者は九千六百三十六人、十六区合計で十六万三千三十三人となります。七年度世田谷区加入者は、九月末時点で八千六百七十一人となります。
◆上川あや
現在加入している区民には、どのような対応を取るんでしょうか。約款の内容、特に受取人指定の権利について改めて周知する必要があるのではないでしょうか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
保険の受取人指定並びに変更手続につきましては、保険内容に関することとなり、保険会社の対応となります。区では、加入している区民への説明や保険内容の対応改善について申し入れを行うとともに、ほかの十五区にも情報提供を行ってまいります。
◆上川あや
本来の約款どおり、早急にパンフレットやホームページ等の案内記述を改め、申込みフォームや申込書類も受取人指定ができる様式へと改めるよう求めますけれども、区の対応方針を伺います。
◎佐久間 交通安全自転車課長
パンフレットや申込みなどの内容については、保険業法に基づき保険会社の対応となりますが、内容の変更、修正については約款に即した形での対応となるよう、区として早急に申し入れを行ってまいります。
なお、区ホームページや広報の内容につきましても、保険会社の許可を得た上で変更を行うことといたします。
◆上川あや
約款上認められている権利を加入者に知らせず、実質的に行使できない状態で保険を販売してきたことは保険業法違反、消費者契約法違反の可能性すらあるように思うのですが、区は金融庁など監督機関へ報告したでしょうか。速やかに報告するべきではないでしょうか。
◎佐久間 交通安全自転車課長
現在、監督機関への報告は行っておりません。今後の対応につきましては、手続先、手続方法などを確認するとともに、本事案を改めて精査し、検討させていただきます。
◆上川あや
速やかに姿勢を正すようお願いいたします。



