◆上川あや
空襲被害者支援について伺います。
この間の他会派の議論を振り返りますと、誤解も非常に多いというのが実感です。そこでまず、基本のキとして申し上げますが、今回の支援策の提案者は私であり、その発案者も私です。
昨年、今年と二年がかりで国会に救済立法を求め続けてきた被害者団体、全国空襲被害者連絡協議会、略して空襲連にも御相談しつつ、準備を進めてきたもので、ぽっと出の提案でもありません。ところが、他会派の皆さんは、そろって私の存在を無視なさる一方で、さも区長の発案で、しかもトップダウンで軽々に検討が進められてきたかのように語られる。この御認識には、基本的な部分からそごがあります。
まず、昨年八月、空襲連に私が問い合わせたところ、区長はそもそも、国会議員だった当時、国会の空襲議連には入っていなかったと確認が取れています。ところが、さきの代表質問では、区長がかつて社民党の国会議員だった時代にできなかったことを、今度はその規模を小さくして世田谷区長の権限で実現しようとしているのが今回の三万円ですと、まるで断定口調でおっしゃいました。そうした熱意があったなら、国会の議連にも当然入っていたでしょうし、戦後八十年まで待たずとも、七十周年でも七十五周年でもその検討は指示できたと思うのです。
六月の代表質問では、区長がこれまで空襲などの戦争被害について熱心に語ってきた印象はなく、見舞金創設には唐突感が拭えませんともありましたが、違和感があるのは当たり前。支援は私からの提案で、区長はあくまでも受け手側、その発案者ではないのです。
また、戦後八十年の節目だからとの単純な理由でトップダウンで軽々に政治判断してよいとは思えませんとの非難もありましたが、こちらも私の実感とは異なります。
この間の区の方針決定は、私の提案を受けた担当部が先行事例や国会議員の動きを丁寧に調べ、既にお年を召されている被害者のため前向きに検討したいと区長に相談を上げ、区長もそれを了承したもので、その流れはむしろボトムアップと呼ぶべきものでした。そこで、まず確認します。私がこの春、担当部に御相談する以前から区が被害者支援策を温めていた事実などあるでしょうか。また、私が御相談する以前から区長がその検討を指示された事実もまたないのではないでしょうか。
◎田中 保健福祉政策部長
三月の補充質疑で委員から御提案いただくまで、区として検討したことはございません。また、委員の御質問以前に区長から検討を指示されるといったこともございませんでした。
区として、先行する他自治体の支援策を調べ、超党派国会議員の法案制定に向けた動向も把握した上で、区長に相談し、検討を開始したものです。
◆上川あや
やはりボトムアップですよね。
次に、六月の代表質問には次のような御発言もありました。国会での超党派議連について紹介がありましたが、国会でも議論百出で賛否が割れているという状況でありますという御指摘です。しかし、この点も私はいささか異なる見解を持っています。
まず、同月の朝日新聞は、全野党が救済法案に賛成で一致と報じています。また、空襲連に直接伺うと、既に立憲、国民、れいわ、共産党、社民、日本保守党の各党では法律案に賛成で党内了承が取れており、参政党と維新についても同じく賛成の方針と聞いているということです。区の把握もおおよそ一致するでしょうか。
◎田中 保健福祉政策部長
この間、報道等を注視していますが、区も同様に理解しております。
◆上川あや
次に、本年三月の本会議では、被害者に対して労苦をしのぶことはあってよいと思うが、お金云々の話は筋違いとする意見表明が、九月二十二日の常任委員会報告でも、お見舞いというのは一回ですよ、本当に継続するものではないと思いますとの意見がありました。
しかし、これらの御意見に触れて、私には素朴な疑問がありました。区は、広島、長崎の被爆者に対しても、毎年――毎年です――見舞金を出しています。当区が被爆地でないにもかかわらずです。そこで問いますが、区は今まで何回見舞金を出してきましたか。
◎杉中 障害福祉部長
区は、原爆被爆者の区民に見舞金として毎年一万円を給付しています。本事業は昭和五十年から開始しており、昨年度までで五十回となっております。
◆上川あや
五十年も出していて、なぜこちらにはお金云々は違うとか見舞いは一回きりとの意見表明はないのでしょうか。それとも、これまで議会からそのような意見表明はあったのでしょうか。
◎杉中 障害福祉部長
被爆者見舞金は、この間、支給額の見直しはありましたが、議会からの廃止もしくは回数制限を設けるべきといった御意見等は、調べましたが、確認できておりません。
◆上川あや
そうですよね。六期目となる私の記憶にもないものです。
次に、被爆者に対して、区の毎年の見舞金以外にも、国による医療費負担、無料の健康診断、健康管理手当等の生活支援が次々制度化されてきましたが、空襲被害者に対しては何もない。この支援の格差を区はどう見るでしょうか。
◎田中 保健福祉政策部長
被爆者に対しては毎年、見舞金を出しておりますが、その他の空襲等被害者に対しては支援の施策が何もない、また、この間、国のほうで順次拡大されてきた被爆者援護のような仕組みも空襲等被害者にはまだない状況です。
原爆被爆者との比較をするものではないものと考えていますが、今回、国会に立法を促すため、また、恒久平和を願うために、空襲等被害者の方へ見舞金の給付を検討しています。
空襲等被害の話を聞いてほしい、記録に残してほしいなど、今回対象となる方の希望にはしっかり寄り添い、また、専門的なケアが必要な方にはそのための支援につなぐなど、これまでの御労苦を少しでもねぎらえるものであるよう、制度の設計をしてまいります。
◆上川あや
最後に、他会派から、給付対象者を見ると、「区長が上記に準ずると認める障害の一部」もあり、どこまでを対象者とするか曖昧だとする指摘もありましたが、「区長を認める場合」あるいは「者」等の表現は、限定列挙がなじまない制度ではむしろ一般的に取られてきた表現だと考えるのですが、いかがでしょうか。
◎須藤 総務部長
条例や要綱などにおきまして、全ての要件を列挙することが困難な場合や、一定の裁量が認められる場合などには、区長が認める場合といったような趣旨の文言をこれまでも一般的な表現として使用しております。
◆上川あや
おっしゃるとおりですよね。障害といっても、その態様、困難は非常に様々で、明確な線引きがなじまない支援施策の一つだと私も認識をしています。
本件は四定の補正予算にも関わる案件でありますが、改めて、議員各位の御理解と御賛同、さらに、既にお年を召されておりながら国から謝罪もなく全く無策に放置をされてきた空襲被害者に対しての御温情と御支援をお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。



