次に、区の文化・芸術振興策に関し2点、提案致します。
提案の1つ目は、感覚過敏のある方々への合理的配慮です。
感覚過敏とは、音や光などの感覚が過剰に敏感になり、日常生活に支障をきたす状態を指し、精神障害、知的障害のある方にも見られる一方で、特に発達障害との関連が指摘されています。
多くの人にとって心地よい光でもまぶしく感じたり、さほど気にならないざわめきにも苦痛を覚えたりします。このため平均的感覚に合わせて調整された光や音でも体調を崩したりパニックになったりし、周囲からは理解されづらく、人知れず困っている人も多いとされています。
こうした方々への配慮として今、国内の美術館、博物館にも広がりつつあるのがセンサリーマップの公開です。
これは音や光といった感覚情報を予め整理、公開することで、感覚過敏のある人やその家族、引率者にも対策を立てやすく、また共に楽しく過ごして頂きやすくするもので、国内では2023年にマップ公開した東京国立博物館が先鞭をつけたとされています。
同館が取り組みを進めたきっかけは、同館職員が訪ねたイギリスで、小さな町にもセンサリーマップの公開が広がる事情に触れたこと。
同館のセンサリーマップは先行する大英博物館やシンガポール博物館のものを参考に、当事者の意見も入れて作られ、その後、同種の取組みは7館ある全ての国立博物館へ、また上野動物園や関西万博会場にも広がりを見せています。
区でもそれらを参考に、ぜひ遅れることなく感覚過敏への合理的配慮を検討するべきです。 まずは、その手始めに区立の美術館、文学館からセンサリーマップの公開を始めてはいかがかでしょうか。区の見解を伺います。