◆上川あや
最後に、読書バリアフリー法への対処です。
二〇一九年六月に読書バリアフリー法が成立し、その第七条を受け、国の読書バリアフリー基本計画も公表され、地方自治体にも同八条で、視覚障害者等のための読書環境の整備の推進に関する計画、略称、読書バリアフリー計画の策定が努力義務とされました。
これを受け、日本図書館協会の障害者サービス委員会が、おととし、この読書バリアフリー計画策定に関しての指針を出しております。そこでは、計画策定で注意してほしいこととしまして、教育部局と福祉部局の連携による計画策定の体制づくり、既に実施していること、不足していることの実態調査を含めた把握、既存の実施内容のみをもって計画を構成しないこと、さらには、その先の具体的施策の提示まであり、大変参考になると感じました。
当区でも、都における同計画の策定や、今挙げた指針も参考に世田谷版の読書バリアフリー計画を策定し、さらに施策を充実させていただくよう求めますけれども、いかがでしょうか。
◎齋藤 中央図書館長
第三次世田谷区立図書館ビジョンには、基本方針四、それぞれの特性等に対応した、多様な人々を包摂する図書館を掲げており、様々な特性等に対応した資料とサービスの充実において、以下の取組を記載いたしました。
その中では、具体的に、対面朗読サービスの提供とバリアフリー資料の充実、読書支援機器の充実として記載されており、音訳図書、点字図書、大活字本、拡大読書器、マルチメディアデイジー、LLブック、触る絵本や読み上げ機能対応の電子書籍、サピエ図書館の活用を記載しておりました。
さらに、来館しなくても利用できるサービスの提供として、サピエ図書館の個人登録、宅配サービスなどを記載しておりました。こうした施策は、読書バリアフリー法で掲げられている施策を包括しているとも考えております。
図書館といたしましては、読書バリアフリー計画や子どもの読書活動推進計画など、様々な分野の読書計画を求められており、それぞれの計画を策定するのではなく、世田谷区立図書館ビジョンの中で読書バリアフリー法等の趣旨や施策を丁寧に取り込むことによって実現させるように考えております。
◆上川あや
現在のビジョンは、同法が求める施策を含みつつも、区独自の読書バリアフリー計画ではないことは明らかだと考えています。似て非なるものである以上、それで満足しない計画策定の努力を重ねて求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。