区の建築確認等について伺います。
区内の違法建築マンションをめぐる複数の報道に触れ、区の対応に疑問を持たざるを得なくなりました。
そこで以下、関連報道も織り交ぜつつ、区の同事務について問いたいと思います。
まず、当該の違法建築とは、どんな物件か?
昨年のテレビ朝日の番組放送データから、かいつまみ、ご紹介します。
「東京、世田区にある地上8階建てのマンションには49戸が入っている。1998年に完成したが、2018年以降、施工不良が次々と判明し、耐震性の問題があるとして2020年に、事業主の東急不動産が建て替えを提案。」
「住人は仮住まいに、一旦、転居したが、建築前、作成された図面の真北(シンボク・マキタ)を示す方角が実際よりも14度ずれていたと判明。高度、斜線制限等の建築基準法・違反状態で、高さ制限など、法律に合わせるよう再建築すると、戸数は約半分の25戸ほどになるため、建て替えを撤回。解体する方針を明らかにした。」
「今回の件について東急不動産は「違法建築状態を早く解決したいと考えている。」などとした。」
ここで最初の確認です。
真北(しんぼく)、マキタから14度ズレた違法建築マンションの「建築確認申請」にOKを出したのも――その完了検査で、適法、安全な建物だとお墨付きを与えたのも
当区ですよね?
真北(シンボク)が14度もズレていて、現在の所管課の職員も気付かないものですか?
真北(シンボク)のズレが、なぜ審査において重要かも、ご説明いただけますか?
ところが、区が、その14度のズレを見逃したため、現在25戸のマンションしか建たないところ、49戸ものマンションが建った。
加えて耐震性も確保されていないのに、区はその構造計算書もOKとした。
また、竣工後の建物は、耐震スリットの数さえ、図面と異なった。
ところが、区はその完了検査にもOKを出し、耐震性のないマンションに住民は安心して住んでいた――そういうことですよね?
なぜ区が、その大変重要な、真北(シンボク)のズレ、14度を見落としたのか、私がメールで見解を求めると、所管課はその考察を文書で下さった。
その文面を一言一句、違わず、ここでも読んで下さいますか?
つまり、業者側の主張、書面を鵜呑みにした?との考察です
それで審査、確認と言えるのか?
相手に悪意があっても強弁すれば通すのか?
大変疑問ですが、かの悪名高い姉歯事件をめぐる最高裁判決も、行政の審査責任を限定的に解釈し、その賠償責任を否定した一方で、「行政が漫然と不適合を見過ごせば違法になる」と判示しています。
その判決要旨も、ご説明くださいますか?
「記載事項の誤りが明らかであるにもかかわらず、照合すべき資料を照合しないといった、職務上、通常払うべき注意を怠り、漫然と、その不適合を見過ごせば違法」であるならば、先ほどの考察、「真北を測定した者が、この測定が真実であると断言した」から信じました。
「申請者が、確認申請書の第一面において、「記載の事項は、事実に相違ありません」と宣言した」から信じました――
とする鵜呑みの連続は、重大なリスクだと思います。
例えば、区の担当課には、真北を測る「真北測定器」もあると聞いています。
真北が14度もズレていたら、たとえ測定者が「真実だ」と主張しても、区でも測定、点検するべきだと思うのです。
現に、区の建築指導課OBにお話を伺うと、真北の疑義が晴れない場合は、区も実際、測りに行き、修正を求めたといいます。
そのお話をつい3日前、建築審査課長に差し上げると今の所管課にも「真北測定器」はありますと、その使い方までご説明のうえ、今の所管課でも真北(シンボク)の疑義等が晴れない場合には、現地を点検する用意があると、ハッキリお認めでした。
そこで、そのご意思を今一度、この場でも確認させていただきます。
ならば、同じ誤りは2度と繰り返さない決意があると受け止めたいと思います。
区は、引き続き、建築確認申請のみならず、その構造計算でも、中間検査でも、また完了検査でも、積極的に調査、点検する姿勢を堅持しつつ審査にあたられるよう改めて求め、私の質疑を終わります。