第2の課題は、区の施設以外にも搾乳できる場を増やしていく区の努力です。

先に述べた通り母乳育児と仕事の両立は産休・育休明けのママたちを悩ませる重要課題の一つです。
スイスの母乳育児用品メーカー、メデラの日本法人が出産後、1年半未満で職場復帰した女性、約500人にアンケートしたところ、約50%が復帰後も母乳育児を続け、うち、職場で搾乳したことのある女性は15%。搾乳した場所はトイレが最多の58%で、いかに多くの女性が不衛生かつ落ち着かない場所での搾乳を強いられてきたかは明らかです。これでは清潔な母乳が赤ちゃんに届けられるべくもないでしょう。

アメリカではオバマ政権時代、企業に子どもが1歳になるまでの従業員には搾乳のための時間と場所を提供するよう定めた連邦法が成立し、西部、カリフォルニア州でも5年前、搾乳室の設置義務に反した場合に罰則を科す州法が成立したと報じられています。
こうしたなか日本でも昨年3月、遅まきながら厚労省が「職場に搾乳室を作りましょう!」というリーフレットを公開し、その啓発をスタートさせています。

区にも「子ども子育て応援都市」として、また女性の活躍推進と区内事業者への人材定着を図る一助として、搾乳室設置の必要性、有用性を伝える工夫と努力を求めます。
まず、区のユニバーサルデザイン推進条例に基づく「施設整備マニュアル」や「情報のユニバーサルデザインガイドライン」には民間施設を誘導する機能もある筈です。 現状の搾乳のサの字もない無配慮を改め意識の共有を図るツールとするよう求めますけれどもいかがですか?
また、男女共同参画を所管する生活文化政策部 および経済産業部にも、その持てるツールを活かした啓発努力を求め、ご見解を問います。