東京都職員共済組合、略称、都共済の同性パートナー対応について伺います。
まず、なぜ区議会で都共済?——と疑問に思われる方もいらっしゃると思うので、1つ目の確認です。
都共済の組合員には23区の常勤職員も含まれる。23区の常勤職員は自動的に組合員となり、給与額に応じた掛金が毎月天引きされている。
そういう理解で良いですか?

都共済のホームページには「パートナーシップ宣誓制度の適用について」と題したページがあり、職員の同性パートナーにも「利用可能な施設」として次の5つが列挙されています。
箱根の温泉保養施設の固有名、浜松町の宿泊・婚礼・宴会施設の固有名、夏季・冬季の委託保養施設、リフレッシュ宿泊施設、清瀬市の運動場が全てです。
しかし、これらだけで果たして平等が担保されたと言えるのか疑問です。
そこで次に確認したいのが都のオリンピック憲章理念実現の条例第4条、
「都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない」と規定する事業者に都共済があたるのかどうか? この点はいかがですか?

都共済も差別が禁止された事業者であると確認が取れました。
次に、都共済のホームページでは、都共済の事業を大きく次の3つに区分できるとしています。
1つ目に「短期給付事業」、2つ目に「長期給付事業」、3つ目にその他の「福祉事業」ですが、先ほど挙げた5つの施設は、3つ目の福祉事業のごく一部に過ぎません。
このうち1つ目の「短期給付事業」は民間会社に働く人たちが加入する健康保険に相当し、2つ目の長期給付事業は共済年金にあたる。
また3つ目の福祉事業も、基本は地方公務員等共済組合法に規定のある「組合員及びその被扶養者の福祉の向上」に資するための事業ということです。
このためいずれの事業の対象も基本としては法の規定に縛られる。
そういう理解でよいですか?

「その多くは」と留保がつく点が重要ですね。
次に同法が規定する「被扶養者」の範囲に事実婚の男女は含まれる一方で、同性パートナーは含まれず、排除されてきた。
以上の理解に誤りはないですか?

ところが、先の5つの施設提供がそうであるように全ての「福祉事業」で同性パートナーを排除するべきか? と言えば、それも違う。
その点を今一度、精査するべきだと思うのです。

例えば、都共済ホームページが列挙する福祉事業の一つ「こころの相談事業」の広報には平易に「組合員だけでなく、ご家族からの直接の相談もお受けしています」と書かれている。
ここでいう「ご家族」に同性パートナーを含めたところで支障などないのではないですか?

同性パートナーも家族ととらえ、ご相談がくれば応じている。福祉事業の対象にも拡大しうるということです。
であるならば、なぜ先に挙げた、「パートナーシップ宣誓制度の適用について」でご利用いただける事業、サービスとして書かないのでしょう。
法の明文で対象範囲が限定された事業でないならば、その広報も含め職員の同性パートナーに等しく開かれたものにしていただかなければ、筋は通りません。
区には、改めて各事業の精査と広報の見直しを進言頂きたいと考えるのですがいかがでしょうか?

最後に、根拠法が規定する事実婚の定義について、同性カップルは含まれ得ないのか、再検証を求めます。
3月、最高裁は犯罪被害者遺族に支払われる国の給付金について、「被害者と同性のパートナーも事実婚に該当し対象になりうる」とする初めての判断を示しました。
事実婚のパートナーを法律婚と同等に扱う規定は年金はじめ、多くあることから、この初判断がそれらの規定の解釈にも影響を与える可能性が指摘されています。現に住民票の事実婚表記をめぐり7月9日、総務大臣も「各制度の所管府省庁においても議論が進められていると理解している」と述べ、検証中であることを示唆しています。
この点も踏まえ、国への同法解釈の照会も含め、事業のあり方を検証、検討し、都と区で真の平等を目指した議論を深めていただく必要があると捉えています。
この点、区からも積極的に働きかけて頂くよう求めますがいかがでしょうか?
区の対応方針を伺います。

私が求めるものは、特権ではなく、単なる平等です。
区の多様性尊重条例の第8条(基本的施策)の第5号は「性的マイノリティの性等の多様な性に対する理解の促進及び性の多様性に起因する日常生活の支障を取り除くための支援」ですから、足元にいる職員の健康保険、年金、福祉事業での不平等が看過されてきたこと自体、おかしいのです。ぜひ改める方向での本区のリードを期待して私の質疑を終わります。