次に同性パートナーも家族として扱う医療機関の可視化についてです。
この質問はもう5度目。何度も繰り返さざるを得ない現状が悲しいです。
同性同士、家族として暮らしても、医療の現場に理解があるとは全く限らない。
そんな実例を見聞きするたび、当事者の間には懸念が広がります。
パートナーの健康が脅かされている重要局面で、診察や診断、告知に寄り添えない。
家族として病状、容体の説明がされない。当人に代わって手術に同意できず、危篤になっても知らされない。果ては臨終への立ち合いすら認めらない。
男女の夫婦ならありえない排除が、現にそこかしこから伝えられているのが現状です。
こうした悲劇が起きない区内医療機関の見える化を求め続けて5年…。
ここ最近の区のご対応についてメモをいただくと――
昨年10月と12月、区の職員が区内の2つの病院を戸別に訪問し、対応を要請。
また本年4月にも、同2病院を再度訪ね、重ねて対応をご依頼。
加えて、5月の世田谷区病院院長会では区の福祉人材育成・研修センターで実施する「セクシャルマイノリティの理解」研修への参加をご依頼にもなったということです。
こうしたご努力には深く感謝する一方で、パートナーの性別が異なるだけで、なぜこうもフラットにご対応いただけないのだろうと悲しくならざるを得ないのですが、今後の見通しはいかがでしょうか?
同取り組みの開始から5年…。
区が内々に得ている感触は、決して後ろ向きばかりではないのかもしれないですが、では、どの病院に救急搬送されれば、家族としてご対応いただけるのか、また、死に目にあえるのかは未だ、まったく分からない。
この点、なかなか打開のできない様子に、区内の同性カップルの皆さんからは、当事者不在のなか、両者で議論を進めても、医療現場の皆さんに現に起きているトラブル、またその切実なニーズをご理解いただくのは難しいのではないか?
自分たちの声を届けることが有効なら、ぜひ区の取り組みにも協力したいとの声が上がっているのですが、こうしたリアルな声とのタイアップ、区はどうお考えになりますか?
病院の実務レベルで同性パートナーの方がキーパーソンになりえると、その後の退院調整や在宅介護の現場にも良い対応が広がってくるのではないかと期待しています。
ぜひ粘り強く、区内医療機関の環境改善に力を貸していただけるようお願いし、私の質疑を終わります。