◆上川あや

まず、区の文化・芸術振興計画の理念にそぐわない区立の美術館、文学館の入館料設定について伺います。
同趣旨での質問はこの二年半で三度目です。今日こそ、その改善に向けたお約束をいただきたいと思っています。

区の文化・振興計画は、政策目標二で次のように書いています。年齢、国籍、障害の有無、また、経済的状況にかかわらず、区民の誰もが文化芸術に触れ、鑑賞、体験、参加し、親しむ環境を整えます。いずれの障壁もなくなることを望むものですが、特に経済的状況にかかわらず、文化芸術に触れられるようにするとした部分が大変新鮮で好感を覚えました。とはいえ、その実現に向けて区が何をするのかこそが重要だと思います。

本来、美術館含む法規定、博物館法では、公営のこうした施設に対しては対価を徴収してはならないと定めており、有償化こそが例外です。ならば、生活保護受給者からまで入館料を取る必要などないのではと問い続けてまいりました。以後、区は関係所管と協議しながらの検討を二度お約束になって、二年半が経過しました。もう十二分に検討時間はあり、また区も改善方針を固めたと耳にしました。
そこで確認します。改善なさるその手法、またスケジュールについてお聞かせください。

◎小澤 文化・国際課長

区では、第四期文化・芸術振興計画の基本目標の一つに、区民が文化・芸術を身近に感じられる取組みの充実を掲げ、誰もが文化芸術の楽しさや魅力に触れる機会の創出に取り組むこととしております。
こうした点を踏まえまして、年間を通じて区の収蔵品を安価で観賞いただける常設展を開催するとともに、子どもや高齢者、障害者の観覧料の設定や、どなたでも無料で御覧いただける無料観覧日を設けているところです。
生活保護受給者の観覧料の減免につきましては、この間、ちょっと長い時間はかかりましたけれども、ほかの自治体での事例も参考に、窓口での受付、確認方法の課題整理や具体的な対応策を調整しているところでございます。現在、来春の条例改正をめどに検討を進めております使用料の見直しの中で、実施の方向に向けて準備を進めております。

◆上川あや

以前の私の問いかけでは、生活保護受給者に無料観覧を認める公立の美術館、博物館の多くでは、常設展のみならず特別展も無料としているということを御紹介しましたが、この点はいかがでしょうか。より観覧料が高くなる特別展でも減免を図れるのかどうか、区の考えを伺います。

◎小澤 文化・国際課長

世田谷美術館、文学館の常設展の観覧料については、条例により料金を定めてございます。企画展については、せたがや文化財団が自主事業として主体的に実施しておりまして、文化財団の専門性を生かして、幅広い内容を企画しているため、料金は内容により異なります。
一方、観覧料の減免につきましては、財団と区が協議して決定しております。具体的には、六十五歳以上、大学生、高校生、中学生、小学生、障害者の枠を設けております。文化財団の自主事業ではございますが、区が掲げる将来像である、誰もが文化・芸術を楽しめるまち世田谷の実現に向けまして、生活保護受給者の減免等を含め、どのような取扱いが有効であるのかを文化財団と協議し、方向性を定めたいと考えております。

◆上川あや

ぜひ積極的にお願いします。