◆上川あや
同性をパートナーとする特別区職員の処遇の平等について伺います。
本テーマを取り上げるのは四年ぶり、二度目となります。二十三区とその一部事務組合の職員の福利の増進を目的とした互助組合、特別区職員互助会の事業について、前回の質疑では同性パートナーへの平等対応が足りない、区は同互助会に評議員を出しているのだから改善をと区に求めました。
当時、同性パートナーも利用できたのは二つの保険商品だけでした。その他の事業、会員制宿泊施設や日帰り施設の利用補助、各種セミナー参加、また、職員相談、指定店での割引販売、パッケージツアーなどは全滅。いずれも異性の事実婚パートナーなら利用できるのに同性パートナーの職員では利用できないというひどい対応でした。
そこでまず、同組合の基本から伺います。そもそもパートナーの性別はどうであれ、二十三区の職員ならば同組合には強制加入、組合員費も強制徴収ではないでしょうか、いかがでしょうか。
◎木田 職員厚生課長
特別区職員互助組合は、互助組合規則第五条において、特別区に常時勤務し、特別区から給与を受ける職員を組合員として定義しており、特別区職員は自動的に組合員となるとともに、組合費も負担することになります。
◆上川あや
強制加入の組織、組合費も強制徴収と確認できました。逃れようもなく負担は等しく求める一方で、サービス提供は不平等とは全く理不尽です。前回の質疑から四年、以後、どれだけ改善したろうと、この夏、同性パートナーと暮らす二組の特別区職員に取材をしたところ驚きました。
相変わらずほとんどのサービスが利用できませんというのです。御提供いただいた資料では、確かに各種事業の根拠規定、また、同組合ホームページの事業案内、また、最新年度の事業案内ともにサービス利用できる家族の範囲の記述に、この四年、変化はないようです。
そこで、第二の確認です。二つの保険商品以外、全滅だった四年前と比べ、それらの記述、また、根拠規定は皆同じで変化はないのではないでしょうか、いかがでしょうか。
◎木田 職員厚生課長
特別区職員互助組合発行の事業案内やホームページでの記載は、以前と変わってはおりません。
また、各事業の根拠規定にある対象者の記述にも変更はございません。
◆上川あや
つまり、外形上、同性カップルの扱いには何らの改善も見られない。他方で、都内二十三区は昨年度、家族に関わる手当を含めた職員給与を同性パートナーのいる職員に対しても平等にしているはずです。
この点、既に全ての区が同性パートナーを配偶者と等しく扱うことで足並みがそろったと見てよいでしょうか。第三の確認です。
◎木田 職員厚生課長
昨年、二十三区は共通基準として、パートナーシップ関係にある者に係る給与の取扱いについて決定いたしました。これに基づき、各区の判断において、給与面についてパートナーシップ関係の相手方を対象に加え、配偶者と同等の扱いとすることができるようになり、世田谷区では昨年七月より導入しております。
各区の条例の規定を確認いたしましたが、他の二十二区についても現時点では同様の取扱いとなっているものと理解しております。
◆上川あや
既に各区ともに、同性パートナーのいる職員に平等対応が図られたと確認できました。四年前の御答弁では、同互助組合には各区長等、及び職員団体により推薦された五十名の評議員から構成される評議員会が議決機関として位置づけられ、本区も二名の評議員を出しているということでした。
全ての区が同性パートナーを等しく扱うことに、もはや異存がないならば、同互助会のほとんどの事業でいまだ同性パートナーを排除している諸規定の放置、また、それに基づく運用は全くの理不尽ではないか。そのような思いで本区の評議員である職員厚生課長に問い合わせたところ、驚き、また、あきれる新情報がもたらされました。
いわく、同組合では内々にその配偶者の解釈を変えており、何と三年前から同性パートナーも家族に含めているというのです。ところが、いつ、どのような手続で変えたのか根拠資料を求めても、それらは存在せず、また、あろうことか当の組合員にはいまだ広報はしていないといいます。これでは全くのブラックボックスではないでしょうか。一体どういうことか、いま一度、御説明をいただけますか。
◎木田 職員厚生課長
お話しのとおり、互助組合に確認いたしましたところ、少なくとも令和三年度以降は同性パートナーも配偶者に含めるといった対応をしており、あくまでも運用として規定の解釈を変更したものなので、評議員会や理事会に諮るようなものではなく、事務局として判断したものということでございます。
また、組合員に対しては、保険の冊子以外では明文化した周知ができていない状況ではございますが、お問合せ等があれば同性パートナーも配偶者と同様に取り扱う旨、回答し、対応しているとのことです。
◆上川あや
各サービスの根拠規定はそのままに、内部で解釈を変更した。しかし、その解釈変更した広報は一切なく、各広報手段、素材に掲載の家族の定義もまた変えてはいない。つまり、当事者からすれば、同性カップルであるあなた方は排除です。対象外ですよと示してきた根拠規定、広報は、いまだに継続中だということです。
それでいて、お問合せいただければ同性パートナーも利用できるとお答えになるのでしょうか。そのような全くの裏メニューで当事者が申し込めると区はお考えなのでしょうか、お答えください。
◎木田 職員厚生課長
互助組合の事業は組合員の福祉の増進のために行っているものであり、事業の内容や対象となる者などについて、全ての組合員に丁寧かつ分かりやすく周知する必要があると考えております。
今回の件につきましても、利用が可能となったならば速やかに事業案内等で周知する必要があったものと認識しております。
◆上川あや
全く当然のお答えだと思います。ところが、その当然のことが全くできてこなかった三年間がある。同組合は会員の皆様に、この間の情報提供の欠落、実質的に排除の継続をしてきたことをわびるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
また、この間、看過してきた本区にも責任はあると考えますが、いかがか。
加えて、直近に評議員会が開かれると聞いていますが、せひこの問題を取り上げ、早急な広報の改善を図るとともに謝罪を求めていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。
◎木田 職員厚生課長
区と互助組合との間での情報共有が不足し、情報が組合員に届けられなかったことにつきましては、互助組合の事務処理の一端を担う事業所である区として、組合員の皆様におわびをいたします。
今回の御指摘も踏まえまして、今後、特別区職員互助組合評議員会などの機会を通じて、周知方法の見直し等についてしっかりと申し入れてまいります。
◆上川あや
地方公務員法第二十六条六項には、配偶者同行休業がありますけれども、国の法律上、この配偶者の同性パートナーは入っていないんですね。だからこそ、解釈変更したんだったらしっかりと広報しなければ伝わらないじゃないですか。全くなっていない対応だと思います。しっかりとした是正を見届けて、区も責任を、一端としてですけれども、持っていますので、それをしっかり促すように再度求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。