具体的な成果

★「延命不要」で入院調整。再発防止が約束されました。

 

高齢者施設のコロナの無症状感染者の入院調整で、区が本人の意向も確認せず、「延命不要」で入院させた事実を上川が追及。
保健所長が反省の弁を述べ、本人意向の確認の徹底が約束されました。

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◆上川あや

区の新型コロナ対策について伺います。区の現対応で見えてきた問題点、見落とされがちな課題の五点について問います。

初めに、高齢感染者の入院調整の際、無症状だった本人に延命措置の意向確認をせず、家族の意向のみが医療機関に伝えられた件についてです。

先月、新型コロナで入院された高齢者の御家族から御相談を受けました。お母様の入所施設で陽性者が出て、お母様も検査を受けると無症状ながら陽性で、感染拡大を防ぐため勧告入院していただくとの連絡が保健所から娘さんに入りました。コロナで入院するという驚きの説明後、保健所からあったのは、お母様が重症化した場合、延命措置を希望されますかという突然の問いかけでした。娘さんは、思いがけない質問に動転し、延命措置を希望すると入院できないというメディア情報も頭をかすめ、母はもう高齢なので希望しませんと答えたそうです。しかし、冷静になると、母に確認してくださいと伝えるべきだった、母に確認もせず、延命措置を断ってしまったと後悔し、繰り返し御自分を責め、鬱々と過ごされたといいます。

このお話の経過を保健所に問うと、本件では区の職員が複数回現場に入り、お母様を含め数名の感染者に直接入院勧告をしたそうです。しかし、延命措置に関する本人への意向確認は施設の職員に任せて現場を去り、その後、施設が御本人に確認することもなかったことが確認できました。一方で、保健所は、早々に娘さんから延命措置は希望しないとの言質を得て入院調整を済ませています。
本来、医療同意は一身専属性が高く、家族にも同意権はないとされています。ところが、本件では家族の意向のみで入院調整されました。お母様の様態が急変し、本人同意もなく、延命措置が放棄されていたら、娘さんは一生後悔したのではないでしょうか。
区には、本件を教訓に、本人の医療同意を第一に入院調整することの徹底を求めます。今後どう対応されるのか、見解を問います。

◎辻 世田谷保健所長

私からは、コロナ患者の延命措置の意向確認についてお答えいたします。

新型コロナウイルス感染症患者の対応におきまして、保健所は、患者の入院先を決めるため、東京都と調整する役割を担っており、入院先の医師による病状の評価や治療の方針が決定する前の段階において、延命措置に係る御意向を入院調整に必要な範囲でお尋ねする場合がございます。また、入院時には、入院医療機関の医師等から適切な情報の提供と説明がなされ、患者の意思が確認されることとなります。
延命措置に係る患者の意向を確認する際には、本来、患者御本人に対して実施されるところですが、御指摘の事案につきましては、家族より聴取した内容を都に報告したことは不適切であったと認識をしております。今後、施設における新型コロナウイルス対応において、コロナの検査の時点から、入院調整の際に必要な範囲で延命措置の意向確認することを御本人や施設に情報提供いたします。また、患者御本人からの意思確認を徹底し、区の個人情報保護条例にのっとった適切な情報収集に努めてまいります。以上です。