◆上川あや
最後に、これもこの一年半、区議会で議論を重ねさせていただきましたが、積み残しになっている課題を取り上げたいと思います。ぜひ改善をしていただきたいと考えます。
同性パートナーも家族として扱われる医療機関の可視化についてです。この課題を最初に取り上げたのは、おととし十月の決特の席でした。
国の終末期医療のガイドラインでは、医療同意を取る家族等に同性パートナーも含まれ得るとはっきりしているのですが、実際の病院等にこうした情報は浸透しておらず、現実には家族ではないと判断され、排除されてしまう医療機関が多いという調査結果が出ています。このため、区では、区内の病院長会等にも、同性パートナーを家族として受け入れるよう、区条例の趣旨と併せて、理解と協力を求めてきてくださったと承知しています。しかし、単に協力を求めたというだけでは、結局、地域のどの医療機関にかかれば、家族として病状の説明が受けられ、手術等の医療同意ができ、パートナーのみとりの際に立ち会えるのかが全く分からないといった状況になっています。この状況を変えていただきたいのです。
そこで、中村副区長にお伺いいたします。この状況を変えるため、理解と協力をいただける医療機関の可視化について、工夫と御努力を求めます。見解を問います。
◎中村 副区長
同性パートナーの医療同意についてですが、まず、区内の病院、診療所において、厚労省のガイドラインに沿って、法的な意味での家族だけでなく、同性パートナーも家族と同様の対応に含めているかどうか、実態を把握させていただきます。その上で、世田谷区医師会や玉川医師会、区内病院長会において、改めて区条例と同性パートナーシップ宣誓制度の説明とともに、患者への説明や医療同意などに同性パートナーを含むことをホームページで周知している病院の事例なども御紹介し、御理解と御協力を求めてまいります。
人生の最期まで同性カップルの方々が、法的な婚姻関係にある親族と同様に過ごせるよう、必要な情報発信に取り組んでまいります。
◆上川あや
ぜひお願いいたします。
区がこの間、医療資源の可視化ができずにいる間に、この一月から新たにパートナーシップ制度を導入した兵庫県明石市では、市内全ての医療機関で同性パートナー等も医療同意を取れるようにすることを市長自らが宣言しました。現に手始めに市内三医療機関と協力協定を締結したとして、この内容を公表しております。区も遅れることなく――もう一年半がたっております。医療機関の可視化は人生の尊厳に関わる部分ですので、しっかり取り組んでいただくように重ねて求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。