◆上川あや
最後に話は変わりまして、人工芝についてです。
人工芝につきましては、他会派からもその環境影響について懸念する声が上がりましたが、私も同様の課題認識を持っておりました。また、加えて健康上も認識するべきリスクはあるものと考えております。
人工芝のピッチは、他の素材より熱中症のリスクが一段高いという認識から、日本サッカー協会の熱中症対策ガイドラインでは、暑さ指数二十八度以上で、屋根のない人工芝ピッチの使用は原則使用不可となっています。では、この暑さ指数二十八度以上の日が東京にどれだけあるのかといいますと、平成三十年の実績値で、六月に六日間、七月は二十七日間、八月に二十四日間、九月も七日間が該当します。つまり、七月、八月はほぼ全滅、またトータル二カ月以上も使用不可となる計算です。また、これに加えて、天然芝にはない摩擦熱が生じることから、スライディングのときなどにはやけどの危険性もあると指摘をされ続けています。
ところが、区では、区立の小中学校に加えて、青少年のサッカーアカデミーに使用している大蔵運動公園の陸上競技場のインフィールドにもその導入を検討しているといいます。人工芝なりのメリットがあることも承知はいたしておりますが、従来言われてきたメリットばかりに着目せず、環境面の課題、さらに熱中症をふやすリスクや、やけどをさせてしまうリスクも加味をして、その導入の是非を検討、施設を運用する必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
◎内田 スポーツ推進部長
大蔵の陸上競技場のインフィールド、これは現在天然芝で、陸上やサッカーなどの競技で使用されております。二月から五月の約四カ月間は、芝生養生のため使用できない状況がございます。
人工芝への変更によりまして、施設の稼働率の向上、そして天然芝に比べ維持管理が容易となることがございます。さらに、人工芝の品質が向上されております。一方、委員御指摘のように課題もございます。
今後、他の人工芝のグラウンドの運営状況を参考に、熱中症対策ややけどへの対応、環境への配慮など、情報収集をしながら課題を整理し、陸上競技場インフィールドへの人工芝導入を慎重に検討してまいります。
◆上川あや
EUでは人工芝そのものを全面的に禁止する議論もあるようには聞いております。環境先進都市を標榜する世田谷区でもありますので、健康面と合わせてしっかりと視野を広げた検討を求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。