◆上川あや
上用賀公園拡張用地の基本構想について伺います。
さきの常任委員会にも報告のあった同公園の基本構想ですが、本来考慮されるべき重要な部分が抜け落ちていると考えます。区は、その基本構想でスポーツを中心とした空間づくりを掲げ、主要施設として体育館、多目的広場、防災倉庫、防災広場等を整備するとしていますが、その基本構想に先立ち意向等を確認した先は、地域住民、スポーツ施設利用団体、サウンディング調査を行う民間事業者等となっています。区に確認したところ、西側に隣接する関東中央病院とは挨拶を交わしたきり意見交換等はないということです。私からすると、なぜそこで挨拶にとどめてしまうのかが大変不思議です。
関東中央病院は、区内に三カ所しかない災害時の災害拠点病院の一つです。その指定そのものは都の事務ですが、実際災害が起きたとき区民が向かい、運ばれていくその先です。なぜ同公園の一部に防災広場を整備するとうたいながら、すぐ隣にある災害拠点病院との連携を考えないのでしょうか。厚労省の公表資料、災害拠点病院指定要件の一部改正についてを見ますと、災害拠点病院には災害時の患者の多数発生に備え、入院患者については通常時の二倍、外来患者については通常時の五倍程度に対応可能なスペース及び簡易ベッド等の備蓄スペースを有することが望ましいと、平常時の数倍の広いスペースの確保が求められており、適切な容量の受水槽、停電時にも使用可能な井戸の整備等を通して、災害時に必要な水の確保も求められている上に、原則、病院敷地内にヘリコプターの離着陸場を有するともしています。
ところが、同病院にヘリの離着陸場は当然ありません。現在の候補地と同病院の建物とは、直線距離ではかっても優に八百メートルは離れています。スポーツ施設の充実も、防災広場の設置も、大いに結構ですが、隣接する災害拠点病院との連携を全く考えないまま公園整備を検討するとしているのでは、その後の災害時の救護体制に大きな違いが出てくる可能性があると考えます。同病院ともきちんとこの点を対応していただいた上で、真に災害時にも機能する公園整備を進めていただくよう求めますけれども、いかがでしょうか。
◎山梨 みどり政策課長
今年度策定しました上用賀公園施設整備事業基本構想(案)では、施設整備における基本方針として安全安心の公園づくり、緑をつなぎ広げる空間づくり、スポーツを中心としたレクリエーションの空間づくりを掲げ、災害時における応急活動に資する施設機能についても整備することとしております。
委員御指摘の関東中央病院の災害時に求められる機能につきましても、同公園の計画策定にあわせて考慮すべき要素と考えております。このうちヘリコプター離着陸場につきましては、現在、東京都地域防災計画において、東京農業大学野球場が候補地となっており、新たに上用賀公園拡張用地を候補地とするには、航空法の許可基準などさまざまな課題もございます。
今後、基本計画の策定を進めていく中で、災害拠点病院に求められる機能への貢献について、東京都や病院など関係機関に確認をしながら可能性について検討し、庁内関係所管と連携して災害時に応急活動が円滑に進められる公園となるよう計画づくりに取り組んでまいります。