◆上川あや

続けて、旧態依然とした特別区一帯の事業、区民葬儀についても見直しを求めます。

区民葬儀は、戦後間もなく一般人の生活がまだ豊かでなかった時代に、東京都の葬祭業協同組合が通常より安価な葬儀パッケージの提供を都に働きかけ、都民葬の名で始められたものが、特別区に移管された後も大きな変更もなく現在に至ったものだと承知をしております。区民葬儀の名称から、行政から補助金等が出るものと誤解する向きも多いようですが、あくまでも民間のパッケージです。区と民間との協働を否定するものではないですが、問題はその内容が旧態依然とし過ぎており、情報提供にも偏りがあるという点です。

基本、区民葬儀に含まれるのは、祭壇と霊柩車、火葬の費用と骨つぼ代の四つだけです。これは戦後の貧しい時代、葬儀がそれぞれの自宅で親戚縁者の手をかり、料理を持ち寄り行われた時代に設定された内容で、現在のニーズに合うものではありません。現在なら、これらにドライアイス、遺影代、会場費、料理代、供物代、お返し代、礼状代、司会進行代、死亡届などの諸手続費用までかかるのが通常ですが、区民葬儀にこれらをつけ足すと、むしろ区民葬儀のほうが高くなるケースまであるといいます。ところが、そうした注意書きすらないままに、行政のお墨つき感だけをひとり歩きさせております。
家族を失い悲嘆に暮れる中、区民葬儀なら安いはずと準備を急ぐ方も多いはずで、同事業を続けるのであれば今日に合ったメニュー設定とし、注意点等も書くべきです。区の見解を問います。

また、区民葬儀のカタログには、仏教の祭壇しか掲載がありません。日本消費者協会の調査で、都内平均五十万円とされるお寺へのお布施をも、別建てで払えとの誘導なのでしょうか。所管課には、その他の宗教でも御相談に応じると説明を受けましたが、事前にパッケージ詳細を提示しない以上、制度の枠外も同じです。大阪府吹田市が提示をしている葬儀パッケージでは、仏式だけではなく、キリスト教式でも神式でも、また無宗教でもしつらえが選べ、それぞれ価格も明瞭です。
行政がかかわるのであれば、特定の宗教に偏らないこうした対応こそ求められると考えますが、いかがでしょうか。

◎板谷 保健福祉部長

私からは、区民葬儀について二点お答えをいたします。

初めに、現代ニーズに合わせた見直しについてです。
区民葬儀は昭和四十年から開始をされたもので、当時は自宅葬儀が一般的で、現在のような斎場での葬儀を前提とはしておらず、現代とは葬儀の形も異なる部分が多かったと思われます。こうしたことから、平成二十四年度には世田谷区から特別区区民葬儀運営協議会に提案し、斎場での葬儀にも使いやすい祭壇を選択できるよう制度の改正をいたしました。最近では、いわゆる終活に積極的に取り組まれる方々がふえ、区民葬儀を利用した場合に総額でどのくらい準備しておけばいいのかといった内容のお問い合わせがふえてきており、パンフレットの記載内容も見直しを行う必要があると感じております。
今後も、区民の皆様に寄り添った制度となるよう、議員御指摘も踏まえ、必要と思われる制度改正について、特別区区民葬儀運営協議会に提案をしてまいります。

次に、区民葬儀のメニューについてです。
現在の区民葬儀のパンフレットには、仏式を想定した祭壇の写真を掲載し、神葬祭につきましては区民葬儀の祭壇区分を指定した上で取り扱いますと記載をしております。また、キリスト教、無宗教の方につきましては御相談くださいとの記載になっております。区民葬儀取扱業者には、仏式以外の宗教での葬儀を希望される場合にあっても協定料金の金額で御対応いただいておりますが、パンフレットから読み取りにくい現状があると認識をしております。一人一人、それぞれに合った形の葬儀を執り行いたいというニーズがあることから、特定の宗教に限らず、さまざまな方々が安心してお使いいただけるよう、新たに必要な情報を追加する等工夫をしてまいります。
以上です。