◆上川あや
平成三十年度の世田谷区各会計決算認定全てに賛成する立場から意見を申し上げます。
本日、私より申し上げたいことはただ一つです。区は、人を属性により差別せず、命を守り、権利の平等を保障し、尊厳の保持を最大限応援してほしいということです。いずれも行政職員にとり根源的な価値観、基準、原則であるはずが、それらが必ずしも守られていないのが現在の区政です。
さきの企画総務領域の質疑では、区が先月の台風十五号の来襲時、多摩川河川敷に暮らすホームレスに避難誘導をせず放置した事実を取り上げました。同じ日、下流側の大田区では、避難誘導するべき多摩川の水位上昇を認め、避難誘導しておりました。私の指摘を受け、今月の台風十九号では、本区でも早目にホームレスの避難誘導が行われ、避難所への受け入れを拒否した台東区に非難が集中していることとの対比で、本区の対応が新聞、テレビ等でも好意的に報じられておりましたが、これを教訓に今回の対応が決して後退しないよう求めます。
次に、さきの総括審議では、本区を含む特別区の職員採用が多摩地域の二十六市では事務職採用で全廃された国籍条項にいまだ縛られている現実を取り上げました。本区の男女共同参画と多文化共生の条例第七条は、民族・国籍差別を禁止しております。本区が区民、事業者に対し禁じている差別を、また、都内でも多摩地域の全市で全廃されている差別をいまだ残して職場づくりをしている現実をまずは恥じるべきだと考えます。この点、保坂区長には特別区長会で、また、人事課長には特別区の課長会等でぜひ課題提起をしていただき、不当な差別をやめるよう求めます。
また、さきの補充質疑では、同性カップルへの差別を何人たりとも禁じているはずの本区が、みずからの区職員の同性パートナーについては、同じ処遇を何年たっても保障していない現実を問いました。本区の男女共同参画条例の第六条で事業者の責務が定められています。事業者は、その事業活動及び事業者の運営において、同条例に定める基本理念に基づき、男女共同参画社会及び多文化共生社会の形成に向け必要な措置を講じることが求められております。区も区内最大級の事業所です。みずから条例を提案した立場でありながら、率先していない事実をしっかりと受けとめ、差別の撤廃を急ぐよう改めて求め、私の意見といたします。