◆上川あや

次に、色覚障害に対応したチョークの導入を求め、伺います。

先天的に色の見え方が異なる色覚障害は、日本では男性の五%、二十人に一人、女性でも〇・二%に見られるとされ、決して珍しくはありません。文科省は教職員向けに色覚に関する指導の資料を作成配付しており、色覚の違いに配慮した学習指導を求めております。
学校健診での色覚検査は、平成十五年度以降、必須項目から削除されましたが、色覚の違いで生じる学習面の困難に配慮して、色覚検査を選択制として復活させる学校もふえています。
こうした中、色覚障害や視力の弱い児童生徒でも色が識別しやすい色覚チョークの導入が一部の学校で進められております。色覚チョークは発色もよく、障害を持つ人にも色の違いがはっきりわかる上、通常のチョークとの価格差もほぼないということです。障害者の当事者の立場からさまざまな製品の検証を行い、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の認証商品も出ており、千葉県松戸市教委でも本年四月、全校での導入に踏み切りました。尼崎市教委でも本年度、市内の小学校で試験導入したところ、色覚障害の疑いのある子は色の違いがわかりやすく、ない子からも見やすいと好評で、来年度からの全校導入を決めたといいます。
世田谷区の学校にも色覚に差異のある子どもは決して少なくないはずで、その導入を求めますが、いかがでしょうか、区教委の見解を問います。

◎工藤 教育政策部長

私からは、色覚チョークの導入について御答弁申し上げます。
色覚チョークなどを使用した指導は、色の見え方や感じ方に困難を感じている児童生徒にとって黒板の文字などが識別しやすくなり、全ての児童生徒の学習を保障するという観点からも重要でございます。各学校においては白と黄色のチョークを主体的に使うとともに、アンダーラインや文字囲みをつけるなど色以外の情報も加えながら、視覚的にも指導内容がわかりやすくなるよう配慮しております。
現在、お話にございました色覚チョークなどユニバーサルデザインに対応したチョークについては、区立小中学校の一部の学校で導入をしており、学校からは、黒板の文字が見やすくなっている、子どもたちの集中力が高まったなどの声も聞いております。
教育委員会といたしましては、見やすい黒板の文字などの工夫とともに、色覚チョークなどユニバーサルデザインに対応したチョークの使用は多様性を尊重した良好な学習環境の整備に有用であることから、その効果や必要性を校長会などを通して周知し、各学校における指導の工夫、改善を図ってまいります。
以上でございます。