◆上川あや
最後に、留学生への支援についてです。
本区は全国有数で大学が多く、留学ビザで在住する方が多いことも特徴の一つとなっています。
市内に二十一の大学、短大、高専を持つ八王子市では、国の留学生三十万人計画で留学生が今後もふえることを見据え、多文化共生プランを改定し、市内大学と市でつくったコンソーシアムも活用し、留学生のニーズに即した施策の展開をしています。
留学生活と学業を支える奨学資金を創設し、卒業後の進路希望は、日本での就職希望が六割と高いのに、現実に日本で就職した者が三割にとどまる現状にも着目し、人手を求める市内企業とのマッチングを行い、地域の活性化につなげようとしています。当区も、こうした地域に即した支援策こそ検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎田中 生活文化部長
日本で学ぶ留学生の数は、国の外国人留学生受け入れ政策の基本方針もあり、年々増加傾向にございます。隣接を含め、十六もの大学、学部がある世田谷区の留学生の生活や就職においても、同様の傾向があるものと考えております。
国際社会において活躍が期待されている留学生に対する支援を充実させることは、将来の世田谷の町の活性化にとっても重要であると認識しており、現在策定中である(仮称)世田谷区多文化共生プラン(素案)では、基本方針の一つとして、誰もが安心して暮らせるまちの実現を掲げ、そのうち、留学生の支援も含めた生活基盤の充実を重点施策として位置づけております。
日本社会の文化や慣習、職種のミスマッチなどにより、就職しても離職してしまうケースもあると聞いておりますので、今後は、定期的に開催される学長懇談会や大学連携に関する調整連絡会などにも働きかけ、留学生のニーズを把握するとともに、関係所管とも連携を図りながら、具体的な支援について検討を進めてまいります。