◆上川あや

最後に、テーマを変えまして、改築後の本庁舎の屋上庭園を光害の少ない、星の見やすい屋上庭園にできないか、提案をいたします。
教育センタープラネタリウムで開かれる天体観望会は、プラネタリウムの当日の星を見学した後、実際に屋外で星を観察するイベントですが、毎回、百四十名の定員を超える大人気のイベントとなっています。この点からも、環境さえ整えば星を楽しみたい区民は多いとわかります。
今では都会の世田谷区ですが、同プラネタリウムの解説員の方によれば、意外や都心部に比べ星の観察条件はよいそうです。もともと肉眼で見える星は一等星から六等星までですが、世田谷区では通常三等星までは見え、条件がそろえば四等星でも見えるときがあるそうです。その条件を整える一番の鍵は、人工の光が直接目に入らないようにすることだそうです。
ふだん東京で星が見えないと感じるのは、町の明かりが空を明るくする上に、町の光が直接目に入り、瞳孔が絞られているためであり、この条件を変えれば星はぐっと身近に感じられ、楽しめるようになります。
この余分な光、光害を避ける上で、本庁舎周辺は周囲より一段高く、好立地です。現状でも五階の区議会の控室からはそれ以上に高い建物が周囲になく、屋上庭園の安全な園路整備と調光次第では、芝生に寝転がりながら星を楽しめる夢のある庭園整備も十分に可能です。
その上で、来週も起こる十五夜、夏の七夕、年に十回は来るという流星群の夜などに開放できれば、子どもたちに、にせものではない、本物の星空を取り戻すことができ、格好の環境教育の場にもなると考え、提案をいたします。区の見解を問います。

◎松村 庁舎整備担当部長

私からは、改築後の庁舎において星の見やすい屋上庭園の提案についてお答えをいたします。
大変夢のある提案をいただきました。本庁舎の整備は、区民交流の大きな方針の一つに掲げており、幅広い区民が訪れ交流することができる場所となる本庁舎等を目指しております。一階に区民交流機能、二階にはリングテラスを囲むように区民が交流するレストランを配置し、十階には見晴らしのよい展望ロビーを設け、広場とともに、さまざまな区民交流ができる庁舎とする計画でございます。
屋上につきましては、みどり三三%を本敷地内で達成するため、緑化をする計画でございますが、区民の憩いの場や職員の休憩の場としても利用されることが望まれ、今後、管理運営などの視点に留意しながら検討していく予定でございます。
御提案の星の見やすい屋上庭園とすることは大変貴重な経験ができる場になると思います。庁舎の屋上として管理運営の課題や整備手法の工夫が必要であると考えますが、周辺の立地条件なども含めまして、その可能性を検討してまいります。
今後、区民交流を促すさまざまな仕掛けを工夫し、区民が本庁舎等の完成を待ち遠しく思っていただけるように努めてまいります。
以上です。