◆上川あや
平成三十年度の世田谷区各会計予算五件に賛成する立場から三点の要望を申し上げます。
初めに、差別のない組織、社会づくりについてです。
いよいよ来月より世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行となります。同条例は、同性カップルに対する差別をも禁じますが、現在同性をパートナーとする区の職員は、パートナーが要介護となっても介護休暇がとれず、パートナーが亡くなったとしても慶弔休暇もとれず不平等です。早急な事務改善を求めます。
さきの区民生活領域の質疑では、区の外郭団体における同性パートナーを持つ従業員への不平等と外郭団体が区民に提供する家族向けサービスの不平等を取り上げましたが、今後、区は同条例に基づき民間の不当な差別等についても区民の御相談に応じ、不当な権利侵害等については改善要請も出す立場です。区の外郭団体に差別が残るようでは示しがつきません。差別を認めない指導の強化を改めて求めます。
総括質疑で取り上げた特別区の障害者採用にも課題があります。
障害者差別解消法は、障害特性に応じた合理的配慮の不提供も差別だとしています。しかし、特別区の新たな障害者採用選考では、知的障害者も身体・精神障害者と一緒くた。同一の区分、基準の採用で配慮が足りません。改善を求めます。要望の第二は、新たな知見を取り入れた事務改善についてです。
保健福祉領域の質疑で取り上げた区の三歳児健診の視力検査については、昨年四月、厚労省が発出した事務連絡からも、おととし八月、日本小児眼科学会が発表した三歳児健診の提言からもかけ離れた内容であり、問題です。国の通知どおり、三歳児健診の会場では必ず視力検査を実施するべきですし、同学会の提言に沿った専門家の配置と検査機器の導入も十分検討するよう求めます。
補充質疑で取り上げた自殺対策の新たな調査では、性の多様性に配慮した先駆的な調査を改めて求めます。最後に、全庁的な連携の強化についてです。
都市整備領域の質疑では、歩き続けることの難しいロコモに対応したまちづくりを、補充質疑では、手話を母語とする聾者を含めた日本語を母語としない区民に対する情報機器を活用したアクセシビリティーの改善を、また、区民健康村を活用した泊まりがけの国際交流事業の構築を求めましたが、いずれも所管横断的な取り組みとすることで、これまでにない成果の上がる可能性が高まる事業です。この点、十分な連携、検討を求めて、私の意見といたします。