◆上川あや
続けて、手話を含めた区政の多言語対応について伺います。
まず一つ目の課題、手話を母語とする方の区政へのアクセシビリティーについては、私からは何度も、区政における手話通訳者の配置は本庁舎のみで、しかも、午前中のみということで、耳が聞こえる方々に比べて著しくアクセシビリティーとして劣ると批判をしてまいりました。以前これを少しでも改善する策として、各総合支所でも遠隔手話通訳ができるようにタブレットの配置を求め、導入をしていただきましたが、今回の質問ではさらなる飛躍を求めたいと考えています。
三重県名張市なんですが、今年度からスマホなどの動画を活用した手話通訳対応サービスを試行実施に移しています。
従来、聴覚障害のある方は電話ができないために、市役所に問い合わせがある際は来庁していただく必要がありましたが、近年は手話を使う聾者の多くが携帯電話の動画で通話をされていることから、同市では電話窓口にタブレットを導入し、動画で手話通訳するサービスを始めたということです。
驚くことに、今年度、初年度の経費は、タブレットの購入資金と通信料のみで八万四千円余り、本格実施に移る来年度の予算もたった二万円だそうです。
そこで、早速、障害施策推進課に事態の改善を御相談したところ、民間には手話も含めて八カ国語に対応する動画通訳サービスもあるんですよという、ちょっと目を見開かれる情報をいただいたんですね。
IT機器の発達と普及、ますますふえ続けている在住外国籍の方、百三十カ国いるそうですが、こういった方への対応を考えますと、英語と中国語でしか実施していない当区の外国語サービスは見直しの時期に来ているのではないかということを考えます。
IT機器の活用も含めて、より高次元の展開へと検討を求めますけれども、いかがでしょうか。
◎田中 生活文化部長
区では、個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無にかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築くため、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を制定いたしました。条例では、多文化共生の基本的施策として、外国人、日本国籍を有する外国出身者などへの情報の多言語化によるコミュニケーション支援、外国人などが安心して暮らせるための生活支援などを掲げており、中でも日本語によるコミュニケーションが困難な外国人などに対して、多言語ややさしい日本語などにより情報提供することは大変重要であると認識しております。
手話を含めた多言語対応は、従前の窓口対応に加え、タブレットや電話活用などを含め、さまざまな情報機器の活用事例もございます。現在、区では、サービスの内容によりさまざまな所管が工夫しながら対応しておりますが、共生社会実現に向けて有効なツールを共有するなど、取り組みを検討してまいります。