◆上川あや
初めに、自殺対策計画策定に向けた区の調査について伺います。
来年度予算の説明書の新規項目に、世田谷保健所の自殺対策計画策定のための調査というものが出てまいります。
保健所に伺うと、三十一年度に予定している(仮称)世田谷区自殺対策計画の策定に向けた基礎データを収集する調査だそうですが、ここでは従来の自殺対策では見落とされがちだった性の多様性の視点をぜひ入れていただければと考えています。
欧米では、性自認、性的指向が多数派ではない人たちの自殺率、自殺念慮率の高さについて、各種調査研究で頻繁に取り上げられ、問題視されてきましたが、国内の先行研究は、国の補助金が投下されながらも、専ら私立大学の研究者によるものが主で、公的調査の蓄積がありません。世田谷ではこの点、先進的な調査を行っていただくよう求めますが、いかがでしょうか。
◎辻 世田谷保健所長
平成二十八年の自殺対策基本法の改正により、特別区にも自殺対策計画の策定が義務づけられました。そのため区では、世田谷区自殺対策協議会を中心に計画策定に向けた検討を開始するとともに、来年度に予定する区民や精神科医療機関等を対象とした基礎調査の準備を進めております。
区の平成二十八年の性的マイノリティー支援のための暮らしと意識に関する実態調査では、性別に違和感のあるトランスジェンダーの方の七割近くが自殺したいと思ったと回答しており、同時期に実施された全国の成人男女四万人を対象とした日本財団自殺意識調査二〇一六の結果では、四人に一人が本気で自殺したいと考えたことがあると答えていることと比べても、その傾向が高いことが推察されます。
自殺対策計画策定に向けた基礎調査の実施に当たりましては、改めて議会へ御報告し、御意見等を伺いたいと存じます。加えて、男性、女性の性別の属性だけでなく、性的マイノリティーの方にも配慮した調査内容を盛り込むなど、実態に即した調査が実施できるように努めてまいります。
◆上川あや
よろしくお願いします。