◆上川あや

次に、区の居住支援の対象に外国人を含めるよう求めます。

区営住宅では、親族同居を入居の大前提としながらも、高齢者、障害者、戦傷病者、原爆被爆者、中国在留邦人、ハンセン病療養所入所者、DV被害者についてはこの要件を緩和し、一定の配慮をしてまいりました。民間賃貸住宅に対する区の居住支援でも、高齢者、障害者、ひとり親家庭の三類型を支援してまいりました。しかし、区の支援策からは、住まい探しに困難を覚える重要部分が抜け落ちております。外国人です。
日本賃貸住宅管理協会が家主に実施をした意識調査では、区が支援対象とする高齢者には六〇%、障害者には実に六八%の家主が拒否感を抱くとした一方、区が支援対象としていない外国人に対しても、六一%もの家主が拒否感を抱くと回答しております。
また、平成二十七年度に新宿区が実施した多文化共生実態調査でも、同区在住の外国人千二百七十五人から回答を得て、家を探すとき日本人から偏見や差別を感じたことがあるとした回答は、過半数の五一・九%に達しました。

当区は現在、男女共同参画と多文化共生推進の条例規定の検討を進め、文化的マイノリティーに対する不当な差別も、してはならないと規定し、その具体的施策に多文化共生を推進するための環境の整備等も位置づけているのですから、外国人住民の代表的な困難事例である住まい探しに対しても対応するべきです。
ところが、区が昨年設立したばかりの世田谷区居住支援協議会の支援対象を見ても、高齢者世帯、障害者世帯、ひとり親の子育て世帯等とあるだけです。都内他区には、居住支援協議会の支援対象に明確に外国人を位置づけている例もあります。当区もぜひ、支援対象者に外国人を含め取り組むよう求めます。区の見解を求めます。

◎渡辺 都市整備政策部長

私からは、外国人の居住支援に取り組むべきに御答弁申し上げます。

まず、外国籍の方の住宅の入居についてでございますが、入居の要件といたしましては、世田谷区内に居住していることを証明できることが必要となります。他の要件については日本国籍の方と同様で、一定の条件を満たせば応募することができます。
また、お話しの民間賃貸住宅の入居支援につきましては、一般財団法人世田谷トラストまちづくりに区が事業委託をし、住まいサポートセンターで実施しておりますお部屋探しサポートにおいて、高齢者、障害者、ひとり親世帯の方などに対して、区と協定を結んだ不動産団体に御協力いただき、民間賃貸物件の情報提供を行っております。
議員のお話にございますように、外国籍の方に住まい確保の点から生活課題があるということにつきましては、相談支援のあり方も含めて検討の必要があると認識してございます。区といたしましては、世田谷区居住支援協議会におきまして、現在検討を進めておりますひとり暮らしの高齢者等住宅確保要配慮者への支援とあわせまして、外国籍の方の入居支援の取り組みについて検討してまいります。
以上です。