◆上川あや

続けてもう一点、繰り返し議会で対応を求めても、区が一向に改善しなかった事案として、マンション等での災害時の飲料水の確保策について伺います。

平成二十六年二月の私の議会提案を受け、区は災害時、避難所となる小中学校等の受水槽に応急給水栓施設の整備を進め、災害時の水の確保が容易となりました。その総量は、一日一人三リットル換算で四十万人分の飲み水にも相当します。一方、同日指摘したとおり、民間マンション等の受水槽内にも断水時、居住者の一カ月から二カ月分もの飲料水が残ります。そこに応急給水栓を整備すれば、マンション等も応急給水設備のある物件へと早変わり。その住民は半径二キロに一カ所の給水拠点に水をくみに行く必要すらなくなります。
区には、神奈川県や千葉県同様、都の水道局にその設置を認めるよう働きかけを求めてきましたが、当区が手をこまねいていた三年半の間に、葛飾区が都の制度改正を実現させ、昨年度より整備事業を始めています。地域防災活動に実績があるマンションの管理組合等を対象に、応急給水栓の整備費等を助成するというもので、整備実績もあると確認をしています。
都の制度改正を生かしたマンションの受水施設等の活用と改善は、当区でもぜひ積極的に推進していくべきものと考えますがいかがか、区の見解を問います。

◎澤谷 危機管理室長

私からは、災害時の民間集合住宅の応急給水栓の整備等について御答弁申し上げます。

議員お話しの葛飾区での取り組みは、マンション等の共同住宅で所有する受水槽を活用して、災害時の集合住宅の在宅避難の推進を図るため、受水槽に非常用給水栓を取りつけた場合に、一定の要件を満たせば設置費用の一部を区が補助する制度でございます。
民間集合住宅の受水槽に応急給水栓を設置することは、災害時の水をみずから確保するという自助の観点からも有効な取り組みであると認識しております。なお、東京都水道局によれば、現在は工事前後の検査を経て水道局の認可を受けることができれば、応急給水栓の設置は可能であると聞いております。
区といたしましては、区民みずからの備蓄を促すように啓発するとともに、他の自治体の事例等も参考にしまして、災害時の水の確保の取り組みを推進してまいります。
以上です。