◆上川あや
初めに、性的マイノリティー当事者への居住支援について伺いたいと思います。
まず、第二回定例会で全会一致で可決成立をした区営住宅三条例のその後についてです。
多くの皆さんの御賛同を得まして成立した同条例の改正によりまして、それまで原則親族のみとされてきた区営住宅の入居要件が、事実婚の男女などと同様、同性カップルにも開かれたことは評価をしております。そのときの報道では、次回区営住宅の募集を行うことしの十一月にも区は入居受け付けを始めるということだったんですが、その後の状況について御報告をいただければと思います。
◎岩渕 住宅課長
区営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で住宅を供給するものでございますが、さきの第二回区議会定例会にて御議決いただいた区営住宅管理条例の一部改正によりまして、区営住宅への応募資格要件となっておりませんでした同性パートナーを同居予定者と位置づけ申し込みができるようになりました。
御質問の住宅管理条例の一部改正に伴う住宅募集についての準備状況についてです。これにつきましては、次回は十一月初旬の区営・区立住宅募集となりますので、現在事務要綱を固め、募集パンフレットに反映するよう準備を進めているところでございます。
◆上川あや
順調なようで安心はしたんですが、今回の条例改正は従前門前払いだったマイナスをゼロに戻したという取り組みであって、支援策とは言いがたいものだと考えています。区が本年三月に策定した第二次男女共同参画プランでは、課題十二の性的マイノリティ等多様な性への理解促進と支援というところで住まい確保の支援も位置づけておりますが、その実践こそが今後の課題です。
条例改正をめぐるこの間の論議では、性的マイノリティー当事者の住まい探しの困難も明らかになったと考えています。
おととし三月、区が十六人の同性カップルを中心とした方々からいただいた要望書には、不動産会社から男同士には貸せないと言われて倍の管理費を六年間払わされ続けたなどの理不尽な証言が複数含まれていたことを区もお認めでありましたし、また、昨年区が性的マイノリティーの当事者を対象に実施をした実態把握調査でも、九百六十五人の有効回答を得た中で二百十六人から同性パートナーと暮らす上で困ったこととして、民間賃貸住宅や公営住宅に家族と住む際の困難というものが挙げられておりました。区営住宅の倍率は、御存じのとおり大変高いものですし、所得等の制限もございます。民間賃貸住宅への入居支援の必要性は明らかだと考えるんですけれども、今後、区はどのように取り組まれる御予定なんでしょうか、伺います。
◎岩渕 住宅課長
一般財団法人世田谷トラストまちづくりに事業委託し、住まいサポートセンターで実施しておりますお部屋探しサポートでは、LGBTの方々に特化した事業は現状ではございませんが、委員御指摘のように住居の確保という生活課題があるということでございますので、相談支援等の必要性はあると認識してございます。いわゆる住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居促進につきましては、不動産の供給サイドである住宅関連部門と福祉部門が連携し、居住支援の充実を図るものであり、区としても本年三月、福祉関係所管や区内の不動産関連団体、居住支援団体等の参加を得て世田谷区居住支援協議会を設立いたしました。これまでもLGBTの民間賃貸住宅の入居支援として、区内の不動産団体に区長みずから協力依頼した経緯がございますが、改めて居住支援協議会を通して協力を促してまいります。
また、国の制度設計では、民間の支援団体を居住支援法人と位置づけ、協議会と連携することも視野に入れてございますので、今後、LGBTの居住支援に取り組んでいる団体などとの連携を含めまして、同協議会において検討してまいります。
◆上川あや
ぜひ積極的にお願いいたします。