◆上川あや

最後に、保育園用地確保の新たな方策について伺います。

中央区が待機児童対策として、銀座一丁目にある区立水谷橋公園に私立の認可保育所を建設し、屋上を公園にすることを発表しましたが、当区で進めているような、国家戦略特区により、公園面積の三割以内を削って保育所を造営するものとは一線を画したものです。
中央区が活用したのは、私が過去二回議会で取り上げましたテーマ、立体都市公園制度です。
同制度では、基本的に公園面積を減らさずに保育園と公園の二階建て構造とすることが可能です。適地を探すことが難しい市街地の比較的小さな既存の公園、あるいは小さな公園の用地でも、新たな可能性を見出すことのできるアイデアであり、コストの上昇等、課題はありますが、世田谷区でも一考に値するアイデアではないかと考えております。
区の考え方はいかがでしょうか。

◎菅井 保育計画・整備支援担当課長

立体都市公園制度を活用した保育施設整備では有効な土地活用などが可能である反面、保育需要の高いエリアにおいて立体化整備が可能な区立公園などを選定することができるかという点に加え、都市計画の手続等により計画から開園までの期間が長期化すること、区負担の建設経費が高額になる可能性があること、また、近隣住民の方々との合意形成などといった課題もございます。
しかしながら、委員お話しのとおり、立体都市公園制度の活用は、公園の確保と同時に保育施設の整備も可能となる有効な手法であることから、先ほどの課題も踏まえつつ、今後の保育需要や保育の充足状況等を勘案しながら、実現の可能性について関係所管と協議して進めてまいります。

◆上川あや

これまでさまざまな可能性を探りながらも、この立体都市公園制度については洗い出しをしてこなかったということを伺っておりますので、手持ちのカードを安易に捨て去るということは全く必要ありませんので、ぜひ十分に検討いただいて、今のこの窮地を打開していっていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。