◆上川あや

平成二十七年度各会計決算に賛成の立場から、三点の要望を申し上げます。

初めに、高齢者等のロコモに対応したまちづくりについてです。
私がこの課題を取り上げたのは、さきの福祉保健領域の質疑で三回目となります。残念なことに、肝心なまちづくりを行う都市整備領域に、この課題への関心が極めて薄い、人ごと感覚の幹部の方がなおいらっしゃると感じます。
ロコモティブシンドローム、通称ロコモは、骨や関節、筋肉などの衰えが原因で、自分で移動する能力が低下し、要介護になる危険性が高い状態を言います。国内の該当者は既に四千七百万人に上るとも言われ、我々もいつかはたどる道そのものです。その性質から、長い時間は歩けず、ひととき座れる場所の確保は喫緊の課題でありますが、当区では、後々、議会で言われたところにしかベンチを置かないまちづくりが続いております。
医療、福祉上の重要課題と都市整備とが全く連携していない現状を改めてください。高齢福祉部からは、緑道や区道などでも工夫を凝らし、高齢者に優しい地域づくりに関係部署と連携して取り組んでまいりますとの御答弁をいただきました。今後、都市整備所管の無関心を改め、全庁を挙げて取り組むよう、改めて求めます。

次に、土砂災害対策についてです。都市整備領域の質疑で、区が策定するがけ・擁壁等防災対策方針に関して、危険が確認された箇所について、区民所有者に全額自己負担での改修を求めるのでは、その実効性は上がらないのではないかと見直しを求めました。答弁では、工事費助成を含め、実効性ある方法を検討してまいりますと軌道修正が図られましたが、なお重要課題は残されております。
今回の質疑を通し、区道沿いの民有地にある危険箇所のチェックは、平成九年度を最後に行われていないことが明らかとなりました。至急再点検を求めます。

最後に、LGBT等への支援についてです。今回の決算質疑では、自殺念慮を抱え込みやすい学齢期に配慮した居場所づくりと、差別なく働きやすい職場づくり、児童生徒の保護者が同性パートナーである場合の家族の扱い、LGBTを理解する介護人材等の養成の必要性について問いました。
これらから明らかなことは、性の多様性はどの世代にも存在し、周囲の理解不足から、これまで声も上げられず、困ってきた区民がいるという事実です。この点、区の各部門には一層の御理解をお願いし、次期男女共同参画プランがよりよい十年プラン、連携されたプランとなるよう期待いたします。
以上、申し上げまして、私の意見といたします。